中国AI企業ディープシーク、各国政府の監視強まる、米国は政府機関のシステムから排除へ
ディープシークのプライバシーポリシーによると、AIへの入力内容やアップロードされたファイルなど、多くの個人データが中国国内のコンピューターに保存される。
」のロゴ(Getty-Images)-e1738712395671.jpg)
中国の人工知能(AI)新興企業ディープシークに対し、各国政府や規制当局による監視と規制が強まっている。低コストで高性能なAIモデルを開発し、米国企業に対抗する存在として注目を集める一方、利用者の個人情報や機密データの取り扱い、安全保障上のリスクが懸念されている。
米国では、国土安全保障省(DHS)が連邦政府の関係機関に対し、ディープシークの製品を情報技術システムから削除するよう命じた。同社の製品だけでなく、そのAIモデルを利用して開発された第三者の製品やサービスも対象となる。政府機関による新規調達も禁止され、機密情報が中国側に流出する可能性などが理由として挙げられた。
ディープシークのプライバシーポリシーによると、AIへの入力内容やアップロードされたファイルなど、多くの個人データが中国国内のコンピューターに保存される。各国当局は、こうしたデータの管理方法や、政府によるアクセスの可能性を問題視している。
オーストラリアは2025年2月、安全保障上の懸念から政府機器での同社製品の使用を禁止した。チェコも同年7月、データ保護上のリスクを理由に行政機関での利用を禁じた。台湾も政府機関による使用を禁止している。
欧州でも規制当局の対応が進む。フランス当局は2025年1月、システムの仕組みやプライバシー上のリスクを把握するため、同社への調査を進める方針を示した。ドイツでは、データ安全性への懸念から、アプリ配信ストアからの削除をアップルとグーグルに求める動きが出た。
イタリアでは、利用者に誤情報を生成する可能性を十分に警告していなかった問題などをめぐり、競争当局が調査を実施。同社が拘束力のある改善措置を受け入れたことを条件に、調査は終了した。韓国でも個人情報保護規則への対応が不十分だったとして、新規ダウンロードが一時停止された。
ディープシークは低コストのAIモデルによって世界のAI開発競争に変化をもたらした。一方、各国の規制強化は、技術革新の促進と個人情報保護、安全保障をどう両立させるかという課題を浮き彫りにしている。
