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深刻な干ばつに苦しむホンジュラス、人工降雨に活路、効果に疑問、井戸や貯水池整備を求める声も

干ばつの背景には、太平洋の海面水温上昇と結びついた「エルニーニョ現象」がある。
2026年10月15日/ホンジュラス、国連WFPの食料支援を受ける人々(AP通信)

中米ホンジュラスで、長期化する干ばつによる農業被害や食料不足を食い止めるため、政府が人工降雨技術「クラウドシーディング(雲の種まき)」を導入した。航空機からヨウ化銀の粒子を雲に散布し、降雨を促す取り組みで、政府はメキシコ企業に75万ドルを支払い、計20回の飛行を計画している。ただ、効果を疑問視する専門家も多く、緊急対策としての有効性と費用対効果が問われている。

干ばつの背景には、太平洋の海面水温上昇と結びついた「エルニーニョ現象」がある。メキシコ南部からパナマでは雨不足によりトウモロコシや豆の収穫が大幅に減少し、家畜の死んだり、コーヒー農園の衰退、エビ養殖の生産減少など、農業全体に影響が及んでいる。国連世界食糧計画(WFP)はエルニーニョの影響が2027年まで続く可能性を踏まえ、世界で約5000万人が深刻な食料不安に陥る恐れがあると警告している。

ホンジュラス政府は既存の雲にヨウ化銀を散布することで水滴や氷晶の形成を促し、雨を降らせることを期待する。政府報道官は、対象地域では予想降水量に比べて20~60%の増加が見られたと説明し、灌漑設備の補強、貯水池建設、肥料や種子の配布、食料支援も並行して進めるとしている。

一方、専門家は人工降雨の効果を自然降雨から切り分けて測定することは難しく、長期的な干ばつ対策にはならないと指摘する。ホンジュラス国立自治大学の元理学部長で気象学者のナビル・カワス(Nabil Kawas)氏は、75万ドルを灌漑事業や貯水池に投じた方が、貧困農家に大きな利益をもたらした可能性があると述べた。

農家の苦境は深刻だ。北部の村に暮らす81歳の男性は今年の作物が枯れ、食料を買う余裕もなくなった。政府はこの男性のような農家では収穫量の80~90%が失われたと推計する。農家は人工降雨よりも、雨が降らない時期にも農業を続けられる井戸の掘削支援が必要だと訴える。

干ばつはエルサルバドル、グアテマラ、ニカラグアにも広がり、各国は非常事態宣言や食料支援などの対応を進めている。世界気象機関(WMO)はエルニーニョが2027年初頭まで続くと予測している。

ホンジュラスでは人工降雨の試みと並行して、水資源の確保や農業基盤の整備を長期的に進められるかが課題となっている。

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