◎ニューヨーク州の司法長官事務所は声明で、ドナルド・トランプ前大統領のビジネス帝国に対する犯罪捜査を継続しており、捜査は民事の域を超えたと述べた。
2020年7月7日/ワシントンD.C.ホワイトハウスのイーストルーム、ドナルド・トランプ大統領(当時)(AP通信/アレックス・ブランドン)

5月18日、ニューヨーク州の司法長官事務所は声明で、ドナルド・トランプ前大統領のビジネス帝国に対する犯罪捜査を継続しており、捜査は民事の域を超えたと述べた。

レティシア・ジェームズ司法長官のスポークスパーソン、ファビアン・レヴィ氏は声明の中で、「トランプ・オーガナイゼーションに対する調査は民事のレベルを超えた」と述べた。「私たちはマンハッタン地方検事局と刑事訴追を視野に入れて、トランプ組織を調査しています」

ジェームズ司法長官は、約2年間にわたってトランプ前大統領とトランプ組織の犯罪捜査を行ってきたマンハッタン地方検事局と追い込みをかけている。ジェームズ司法長官とマンハッタン地方検事局のサイラス・ヴァンスJr.検事長はどちらも民主党員である。

CNNニュースによると、ジェームズ司法長官の事務所は、捜査が民事から刑事にアップグレードされた理由を明らかにしなかったという。CNNは18日の速報で、「レヴィ氏は捜査の詳細を明かさず、ヴァンス検事長もコメントを拒否し、トランプ前大統領の弁護士とトランプ・オーガナイゼーションは沈黙している」と報じた。

トランプ前大統領はマンハッタン地方検事局の捜査を「魔女狩り」と呼び、非難してきた。

ジェームズ司法長官は、トランプ組織を刑事訴追するかどうかについては言及していない。NY州検事総長はマンハッタン地方検事局の捜査に基づき、刑事告発するかどうかを決断する。

マンハッタン地方検事局はイヴァンカ・トランプ氏に支払われた現金を含む、トランプ組織が主張した数百万ドルの税控除の妥当性などを調査していた。

イヴァンカ氏の所有するコンサルティング会社は2017年の財務諸表で747,622ドルを受けとったと報告した。同年、トランプ・オーガナイゼーションは、ホテルプロジェクトの税額控除として747,622ドルのコンサルティング料を計上していた。イヴァンカ氏は「見習い期間中の事業費」として、70,000ドル以上のヘアスタイリング費用を計上している。

ニューヨーク・タイムズ紙は昨年、「トランプ大統領は将来の減税のために、残損失の繰り越しを可能とする税法を利用している」と主張した。マイアミ近郊にあるトランプ前大統領所有のゴルフリゾート、トランプ・ナショナル・ドラルは2012年の購入以来、計1億6,230万ドルの損失を計上している。スコットランドとアイルランドのゴルフコースの合計損失は6,360万ドルだった。

税務弁護士兼政策アナリストのスティーブ・ローゼンタール氏はタイムズ紙のインタビューの中で、「実業家トランプはこの手法で成功を収めた」と述べた。「他の成功がなければ、このレベルの損失を積み重ねることはできません。タイムズのレポートが事実であれば、トランプは借金を積み重ねることで納税額を抑えていることになります」

2021年1月12日/ワシントンD.C.ホワイトハウスのサウスローン、ドナルド・トランプ大統領(当時)(ジェラルド・ハーバート/ゲッティイメージズ/AFP通信)

ヴァンス検事長の事務所は調査内容を公表していないが、現地メディアによると、今年2月にトランプ前大統領の税務記録の取得に成功した法廷闘争の中で、いくつかの事実が明らかになったという。

ジェームズ司法長官は調査の一環として、不動産や土地などの負債を利用することで得た税制上の優遇措置に関する記録を地方自治体に提出するよう求め、召喚状を発行した。

また、ジェームズ司法長官はニューヨーク市のトランプオフィスビル、シカゴのホテル、ロサンゼルス近郊のゴルフコースに関連する同様の問題も調査していた。ジェームズ司法長官は、トランプ組織と関係事務所に一連の記録の提出を強制する法廷闘争で勝利を収めた。

CNNニュースによると、ヴァンス検事長はトランプ・オーガナイゼーションで長年財務責任者を務めていたアレン・ヴァイセルバーグ氏に焦点を当てているという。

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