米FDA、新たな日焼け止め成分を承認、25年以上ぶり
ベモトリジノールは欧州やアジア、オーストラリアなどで20年以上前から使用されている紫外線吸収剤で、UVAとUVBの両方を防ぐ広範囲な保護性能を持つ。
.jpg)
米食品医薬品局(FDA)は9日、新たな日焼け止め有効成分「ベモトリジノール(Bemotrizinol)」の使用を承認した。米国で新しい紫外線防御成分が認可されるのは25年以上ぶりとなり、長年停滞していた米国の日焼け止め市場に大きな変化をもたらすと期待されている。
ベモトリジノールは欧州やアジア、オーストラリアなどで20年以上前から使用されている紫外線吸収剤で、UVAとUVBの両方を防ぐ広範囲な保護性能を持つ。UVAは皮膚の深部まで到達し、しわやたるみなどの光老化や皮膚がんのリスクを高める。一方、UVBは主に日焼けや皮膚細胞の損傷を引き起こす。ベモトリジノールはこの両方に対応できる点が大きな特徴である。
現在の米国市場では、広範囲の紫外線防御を実現するために複数の成分を組み合わせる必要がある場合が多い。また、酸化亜鉛などのミネラル系成分は白浮きしやすいという欠点がある。専門家はベモトリジノールの導入によって、より軽い使用感で高い防御効果を持つ製品開発が進む可能性があると指摘している。
FDAによると、ベモトリジノールは皮膚への刺激や体内への吸収が少なく、安全性と有効性の基準を満たした。生後6か月以上の子どもを含む幅広い年齢層で使用できるとしており、「一般に安全かつ有効」と認定された。
米国では日焼け止めが一般用医薬品として規制されているため、新成分の承認には長い時間がかかる。ベモトリジノールは2005年にFDAに申請したものの、制度上の課題などから審査が長期化していた。今回の承認は2020年に導入された新たな審査制度を通じて実現した初の事例となる。
承認された成分はオランダのDSMニュートリショナル・プロダクツ社が「Parsol Shield」の名称で米国内販売を開始する予定で、一定期間の独占販売権が与えられる。その後は他のメーカーも利用できるようになる見通しだ。
皮膚がんは米国で最も多いがんの一つで、専門家からは今回の決定を歓迎する声が上がっている。これまで米国の消費者は海外で利用できる先進的な紫外線防御技術にアクセスできなかったが、新成分の導入によって選択肢が広がり、紫外線対策の向上につながる可能性がある。FDAも今後、日焼け止めの表示や紫外線防御基準の見直しを進める方針で、米国の紫外線対策は新たな段階に入ったといえそうだ。
