◎スペースX社のインターネット通信サービス「スターリンク」はウクライナ軍の暗号化されたメッセージを前線の部隊に届け、西側諸国とウクライナをつないでいる。
テスラ社のイーロン・マスクCEO(Andrew Harrer/Bloomberg)

テスラ社のマスク(Elon Musk)CEOは15日、ウクライナに提供しているスペースX社のインターネット通信サービス「スターリンク」について、資金提供を続けると表明した。

マスク氏は前日にスターリンクの費用を無期限で負担することはできないと表明し、米政府に費用負担を求めていた。

マスク氏はツイッターに声明を投稿し、ウクライナへの支援継続を約束した。「スターリンクは赤字で、他の企業が何十億ドルもの支援を受け取っている中、我々はウクライナ政府に無料で資金を提供し続けるつもりだ」

専門家によると、インターネットが利用できないとウクライナ軍は西側諸国が提供した兵器にロシア軍の位置情報を入力できなくなり、正確に攻撃することが難しくなるという。

スターリンクはウクライナの広い範囲をカバーしているとみられ、ウクライナ軍に欠かすことにできない「兵器」のひとつになっている。

米政府は14日、スターリンクの資金についてマスク氏と連絡を取っていることを認めた。

マスク氏はウクライナを支援する一方、ロシア寄りのツイートで批判にさらされている。

マスク氏は先週、ロシアとの和平交渉を進めるために2014年のクリミア半島併合を承認するよう提案し、ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領らに叱責された。

ウクライナのインターネット通信はロシアの侵攻で完全に破壊されている。マスク氏は2月下旬にスターリンクをウクライナ上空に展開すると発表した。

スペースX社によると、同社は約2万5000台の地上端末をウクライナに寄贈している。

サービスの中断はウクライナ軍に壊滅的な打撃を与える可能性がある。ベレシチューク(Iryna Vereshchuk)副首相は今週、「スターリンクはウクライナ軍をサポートし、ロシアの巡航ミサイル撃墜を支援し、重要なエネルギーインフラの保全と復旧に大きく貢献した」と述べていた。

スターリンクはウクライナ軍の暗号化されたメッセージを前線の部隊に届け、西側諸国とウクライナをつないでいる。

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