◎民主党ユーザーは不満と怒りを表明している。
2022年11月18日/米フロリダ州のマー・ア・ラゴ、トランプ前大統領(Rebecca Blackwell/AP通信)

ツイッター社のマスク(Elon Musk)CEOは19日、トランプ(Donald Trump)前米大統領のアカウント凍結を解除した。

マスク氏はトランプアカウント凍結解除の是非を問う住民ツイッター投票を実施し、参加者の51.8%が解除に賛成したと報告。「民衆の声だ。トランプを復活させる」とツイートした。

共和党ユーザーは「USA!USA!」「俺たちの大統領が帰ってくる」「バイデンを老人ホームに送れ」などと投稿し、マスク氏を称賛した。

民主党ユーザーは不満と怒りを表明している。

トランプ凍結投票は51.8%のユーザーが「賛成(はい)」、48.2%が「反対(いいえ)」に投じ、賛成多数で採択された。

トランプ氏自身も自身のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」で支持者に投票を呼びかけていた。

トランプ氏のフォロワー数はリセットされている。なお、トランプ氏はまだツイートしていない。

しかし、トランプ氏は19日未明、ツイッターで投票が行われていることに言及し、「解除されてもツイッターには戻らない」と明言した。

トゥルース・ソーシャルは驚異的な成功を収めています。私はここにとどまるつもりです」

しかし、アプリ分析会社のセンサータワー(Sensor Tower)によると、トゥルース・ソーシャルのインストール数はツイッターの足元にも及ばない。

トゥルース・ソーシャルの9月のインストール数は約9万2000回。ツイッターは同期間で1400万回以上インストールされたと推定されている。

トランプ氏は昨年1月の議会襲撃事件に関する扇動ツイートを受け、ツイッターから締め出された。ツイッターの前経営陣は「さらなる暴動が懸念されるため...」と述べていた。

フェイスブックとユーチューブアカウントも失ったトランプ氏はその後、トゥルース・ソーシャルという独自のSNSプラットフォームを立ち上げた。

トランプ氏はこのSNSを「保守派のための自由な空間」「左翼メディアの対抗馬」と呼んでいる。

先月ツイッター社を買収したマスク氏は「言論の自由」を擁護し、中間選挙で共和党候補を支持するようユーザーに呼びかけ、トランプ氏の政治キャリアに大きな影響を与えたツイッターの門戸を開いた。

トランプ氏は以前、英経済紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、「ツイートがなければ、私はここにいない」と述べていた。トランプ氏はツイッターが大好きなのだ。

トランプ氏は在任中もツイートを連発し、世界の注目を集め、何度も政敵を誹謗中傷し、コロナウイルスや大統領選に関する誤った情報もたくさんリツイートした。

トランプ氏はマスク氏のツイッター買収を称賛したが、そこに戻るとは述べていない。

マスク氏は買収前、トランプ氏の凍結を解除するとツイートし、前経営陣の決定を「ばかばかしい」と批判した。

しかし、マスク氏は買収後、同社に「投稿監視(コンテンツモデレーション)評議会」を設置し、そこでユーザーの投稿内容やアカウント凍結解除に関する方針を決めると発表した。

マスク氏は18日に著名ユーザー数人の凍結を解除しているが、この決定に投稿監視評議会が関与しているかどうかは不明である。

一方、トランプ氏はマスク氏の買収前、解除されたとしてもツイッターには戻らないと述べ、同社の方針に繰り返し失望を表明していた。

しかし、世界最大級のソーシャルメディアであるツイッターは2024年の大統領選を目指すトランプ氏に多くの有権者とのつながりを提供するだろう。

トランプ氏のトゥルース・ソーシャルのフォロワー数は430万人程度だが、ツイッター凍結前のフォロワー数は約8000万人である。

トゥルース・ソーシャルは傘下企業の不正問題など、複数の法的案件を抱えている。

ツイッター社もマスク氏がそのルールやポリシーに変更を加えることで、新たな問題に直面する可能性がある。

マスク氏は以前、言論の自由が不当に侵害されていると発言しており、ポリシー見直しでフェイクニュースやヘイトクライムがツイッター上に蔓延するのではないかという懸念が高まっている。

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