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米テネシー州の死刑失敗、クリスタ・パイク死刑囚の意識戻らず

パイクには致死薬ペントバルビタールが2回投与されたが、死亡には至らなかった。
米テネシー州、クリスタ・パイク死刑囚(AP通信)

米テネシー州で9月30日に行われた死刑執行でクリスタ・パイク(Christa Gail Pike、50歳)死刑囚が意識不明になった問題について、10月5日現在も意識を取り戻していないことが分かった。パイクは病院で人工呼吸器につながれ、厳重な警備の下で治療を受けている。弁護士によると、今後回復するかどうかも現時点では分からず、予後の判断にはさらに数日を要する可能性がある。

パイクには致死薬ペントバルビタールが2回投与されたが、死亡には至らなかった。弁護側によると、薬剤の静脈注射が適切に行われず、両腕には腫れや火傷、水疱が生じたという。ペントバルビタールは強アルカリ性で、血管外に漏れた場合、組織に重大な損傷を与える可能性がある。

パイクの弁護士スティーブン・ファレル(Stephen Farrell)氏は5日、執行中にパイクがどの程度意識を保っていたのか、どれほどの身体的苦痛や精神的苦痛を受けたのかは分からないと指摘した。弁護側は執行時の記録や通信、映像などを保存するよう州当局に求めている。

今回の問題は、テネシー州の死刑執行をめぐる手続きの透明性にも波及している。同州では死刑執行に使用する薬剤の調達や品質検査など、多くの情報が公開されていない。フェレル氏は、州政府が執行手続きについて市民に必要な情報を示す必要があると主張している。

テネシー州では2026年5月にも、別の死刑囚の執行が静脈路の確保に失敗して中止されていた。今回の失敗を受け、州矯正局長が辞意を表明し、知事が関係機関に調査を命じた。

パイクは1995年、同級生のコリーン・スレマー(Colleen Slemmer、19歳)さんを殺害したとして死刑判決を受けた。弁護側は、パイクが幼少期から深刻な性的虐待を受けていたことや精神的な問題、犯行時の年齢などを考慮すべきだとして、死刑を終身刑に減刑するよう知事に求めている。

今回の執行失敗によって、パイクの健康状態だけでなく、死刑判決そのものにも不確実性が生じている。

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