米ロングアイランド鉄道が運行再開、労使交渉妥結、スト終了
ストは5月16日未明に始まった。
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米ニューヨーク州の「ロングアイランド鉄道(LIRR)」が19日、労使交渉の妥結を受けて運行を再開した。数日間にわたったストライキは約25万人の通勤客に影響を与え、ニューヨーク都市圏の交通網に大きな混乱をもたらしていた。
ストは5月16日未明に始まった。労組側はインフレの進行や生活費高騰に対して賃金上昇が追いついていないとして、賃上げを要求。一方、運営主体である都市交通局(MTA)は財政負担の増加による運賃値上げや税負担拡大を懸念し、慎重な姿勢を崩さなかった。交渉は難航し、LIRRは1994年以来となる全面ストに突入した。
LIRRはロングアイランドとマンハッタンを結ぶ主要交通機関であり、平日は約25万~30万人が利用する。鉄道が停止したことで、多くの通勤客がバスや地下鉄、車での移動を余儀なくされ、道路渋滞も深刻化した。ニューヨーク州のホークル(Kathy Hochul)知事は在宅勤務の活用を呼び掛け、「鉄道はロングアイランドの生命線だ」と述べ、双方に早期妥結を促した。
交渉は週末から断続的に続き、連邦調停委員会も仲介に入った。最終的に労使双方は18日夜、賃金引き上げを柱とする暫定合意に達した。詳細な契約内容は公表されていないが、州政府は「運賃や税金の引き上げを伴わない公平な合意」だとしている。今後組合員による採決が行われる予定だ。
合意成立を受け、LIRRは19日正午から段階的に運行を再開し、夕方のラッシュ時までにほぼ通常ダイヤへ戻った。ペンシルベニア駅やグランドセントラル駅では再開を待ちわびた利用客の姿が見られた。利用者からは「通勤が正常に戻って安心した」という声が上がる一方、将来的な運賃上昇への不安も聞かれた。
今回のストは全米でも最大規模の通勤鉄道が停止したことで、都市インフラが抱える労使問題を改めて浮き彫りにした。物価高騰の中で労働者の待遇改善を求める声が強まる一方、公共交通機関の財政維持との両立が今後の課題となる。
