◎ウクライナはロシアの主張に惑わされることなく、占領された全領土を奪還すると誓っている。
2022年9月29日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、バイデン大統領(Getty Images/AFP通信)

米国のバイデン(Joe Biden)大統領は29日、ウクライナ東部と南部の4地域を強制併合しようとするロシアの試みを「決して、決して、決して」認めないと断言した。

ロシア大統領府によると、プーチン(Vladimir Putin)大統領は30日の式典でウクライナ4州の併合を正式に宣言する見込みである。

プーチン氏は29日、ウクライナ南部ヘルソン州とザポリージャ州の独立と国家主権を認める大統領令に署名した。

ウクライナはロシアの主張に惑わされることなく、占領された全領土を奪還すると誓っている。

米国はロシアが強制併合に踏み切った場合、新たな経済制裁を科す構えだ。

バイデン氏は演説で、「米国はウクライナ領におけるロシアの主張を決して、決して、決して認めない」と述べ、ロシアを非難した。

ロシア国営メディアはプーチン氏が29日に署名した大統領令について、「国際法と国連憲章に基づき、2つの地域の独立は正式に認められた」と報じている。

しかし、国連のグテレス(António Guterres)事務総長はこの企てを却下し、国際法と国連憲章に違反していると非難した。

またグテレス氏は「強制併合は戦争を劇的に悪化させる」と警告した。

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領もプーチン氏との電話会談で併合に反対した。

トルコ大統領府によると、エルドアン氏はプーチン氏にウクライナとの和平交渉と緊張緩和を呼びかけたという。

トルコはウクライナ南部の穀物輸送再開交渉で主導的な役割を果たしている。

一方、ロシア国営メディアによると、首都モスクワでは併合を記念する式典の準備が進んでいる。赤の広場にはステージが設置され、4州の併合を記念する看板が掲げられた。プーチン氏は30日に演説する予定だ。

国際社会は2014年のクリミア併合を認めておらず、今回の4州併合も認めないだろう。

しかし、ロシアは西側が何を言おうと4州のロシア化を宣言し、そこに対する攻撃をロシア領に対する攻撃とみなし、ウクライナに対する攻撃をエスカレートさせると懸念されている。

プーチン氏とメドベージェフ(Dmitry Medvedev)前大統領はロシア領に対する攻撃を「国家安全保障上の脅威」とみなし、核兵器の使用も辞さないと西側を威嚇している。

しかし、ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はロシアが何をしようと奪還作戦を継続すると誓い、西側にさらなる支援を求めている。

4州の住民投票は事前の告知なく突然行われ、圧倒的賛成多数で承認されたと親ロシア勢力は主張している。

ゼレンスキー氏は29日のビデオ演説で、プーチン氏を止めなければ最悪の事態になると警告し、ロシア全土の少数民族に予備役の動員に抵抗するよう呼びかけた。

ロシアから国外に逃亡したロシア人男性はこの数日で数十万人に達した。

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