米アリゾナ州の奇岩地帯チリカワ、64番目の国立公園へ、議会法案が成立間近
チリカワは約49平方キロの面積を持ち、古代の火山活動によって形成された数百本の尖塔状の岩が特徴だ。
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米アリゾナ州南東部にある奇岩地帯「チリカワ」が、米国で64番目となる国立公園に指定される見通しとなった。国立公園の新設を定めた法案は連邦議会を通過し、近くホワイトハウスに送付され、トランプ(Donald Trump)大統領の署名を経て正式決定する見込みだ。上下両院では超党派の支持が集まり、上院は9月30日に全会一致で法案を承認した。
チリカワは約49平方キロの面積を持ち、古代の火山活動によって形成された数百本の尖塔状の岩が特徴だ。先住民の間では「立ち上がる岩の土地」と呼ばれ、開拓者からは「岩のワンダーランド」とも呼ばれてきた。約85%が原生地域に指定され、年間の訪問者は約6万人となっている。グランドキャニオンで知られるアリゾナ州の中でも、まだ広く知られていない景勝地である。
この地域はチリカワ・アパッチ族の歴史的領域でもある。アパッチ族は19世紀に米軍と衝突を繰り返し、1886年に降伏した後、サンカルロス・アパッチ居留地へ強制移住させられた。国立公園化法案には、部族が伝統的な儀式を行うための利用権を維持し、文化的活動を保護する必要がある場合には一時的に一般利用を制限できる規定も盛り込まれた。
チリカワは1924年にて国定記念物に指定され、1938年に区域を拡張。ビジターセンターやキャンプ場、ハイキングコースが整備されている。国立公園への格上げは、観光客の増加と地域経済への波及が期待される一方、国立公園局(NPS)では職員削減が進んでおり、増加する訪問者に対応する人員や維持管理体制が課題となる。
NPSによると、国立公園化に必要な費用は50万ドル未満と見積もられている。実現すれば、2021年に指定されたウェストバージニア州のニューリバー・ゴージ国立公園・保護区以来の国立公園誕生となる。景観の保全と観光振興を両立しながら、先住民の文化的利用をどう守るかが今後の焦点となる。
