SHARE:

ゼレンスキー氏、米国のロシア産軽油受け入れを批判「戦争への投資」

ウクライナがロシアへの圧力強化を求める中、米国の方針転換は和平交渉や西側諸国の対露政策に影響を及ぼす可能性がある。
2025年12月28日/米フロリダ州、トランプ大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領(AP通信)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は9日、米国がロシア産軽油の供給を受け入れる合意について、「終わらせるべき戦争への投資」と批判した。

トランプ(Donald Trump)米大統領は同日、プーチン(Vladimir Putin)露大統領との電話会談で、ロシア産軽油を米国および世界市場に供給することで合意したと発表。ゼレンスキー氏はこれに反発した形だ。

ウクライナがロシアへの圧力強化を求める中、米国の方針転換は和平交渉や西側諸国の対露政策に影響を及ぼす可能性がある。

ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿で、今回の合意を「強いパートナーによる弱い決定」と表現。「プーチンへの贈り物は、平和も文明世界への利益ももたらさない」と指摘し、ロシアがディーゼル販売で得る収入は戦争遂行能力を支えると批判した。

またゼレンスキー氏はロシアに石油製品の販売を認めることは、戦争を長引かせるのではなく終結させるために必要な措置と逆行すると訴え、相互主義に基づく緊張緩和を求めた。

トランプ氏はロシアが直ちに30万トン超の軽油を供給し、11月に50万トン、その後さらに100万トンを供給する計画だと説明した。米国では燃料価格が高騰しており、トランプ氏は農業や物流、暖房などに使われる軽油の供給を増やそうとしている。11月3日の中間選挙を前に、物価抑制を政権の重要課題として位置付けている。

ゼレンスキー氏は記者団に対し、合意によってロシアが戦争継続のための資金を得る一方、和平実現に向けた努力が損なわれるとの懸念を示した。また、米国でロシアとの戦争終結に向けた協議を進めるウクライナ代表団について、「われわれのチームは単なる見せかけに利用されているように感じる」と述べ、米国の対応に不満を示した。

今回の発表は、ウクライナ代表団が米国を訪問し、戦争終結に向けた協議を行っている最中になされた。米国は燃料価格の抑制を優先する一方、ウクライナ側はロシアへの経済的圧力を維持するよう求めている。エネルギー供給の安定とロシアの戦争資金抑制という二つの目標が衝突する中、米国の決定が和平交渉にどのような影響を与えるかが焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ