親ロシア派のハンガリー前首相「専制政治を止める」支持者に結束呼びかけ
親ロシア派のオルバン氏は新政権が民主主義を損ない、政治的報復を行っていると主張し、野党勢力の結束を訴えた。
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ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)前首相は22日、支持者に向けて「抵抗宣言」を発表し、マジャル(Péter Magyar)首相率いる新政権が進める一連の改革を「専制政治」と非難するとともに、平和的な抵抗運動を展開するよう呼びかけた。
今年4月の総選挙で16年続いたオルバン政権が敗北し、5月に発足したマジャル政権は、憲法や司法制度などオルバン時代の政治体制を見直す改革を矢継ぎ早に進めている。親ロシア派のオルバン氏は新政権が民主主義を損ない、政治的報復を行っていると主張し、野党勢力の結束を訴えた。
オルバン氏は声明の中で、「ハンガリーはもはや民主国家ではない」と述べ、政権交代後に可決された憲法改正を批判した。この改正では、オルバン政権時代に任命された主要な公職者の任期終了や、国会議員の在任期間を最長12年に制限する規定が盛り込まれた。
オルバン氏はこうした措置が特定の政治勢力を排除するために利用されていると主張し、「自由と法の支配を守るために立ち上がるべきだ」と支持者に呼びかけた。ただし、抵抗運動はあくまで平和的な手段で行う考えを強調した。
これに対し、マジャル政権は、改革は民主主義と法の支配を回復するために必要な措置だと反論している。与党TISZA(尊敬と自由)は議会で3分の2を超える議席を確保しており、オルバン政権下で築かれた制度や人事を見直すための法改正を相次いで成立させている。
政府は長年指摘されてきた汚職の解明や欧州連合(EU)との関係改善を最優先課題に掲げ、今回の制度改革もその一環と位置付けている。
一方、検察当局は今月、オルバン氏の野党・フィデス・ハンガリー市民同盟が利用していたサーバー施設を家宅捜索し、オルバン政権時代の国立文化基金を巡る汚職疑惑捜査を進めている。
フィデスはこの捜索を「政治的迫害」と主張しているが、政府は独立した捜査機関による通常の汚職捜査であり、政治的意図はないとしている。こうした捜査を巡る対立も、政権と野党の溝を一段と深める要因となっている。
世論調査ではTISZAの支持率がフィデスを大きく上回っている。オルバン氏は今後も野党指導者として政権批判を続ける姿勢を鮮明にしている。ハンガリーでは政権交代後の急速な制度改革を評価する声がある一方で、改革の進め方を巡る議論も続いており、民主主義の再構築と政治的安定をいかに両立させるかが課題となっている。
