◎ロシア軍はルハンシク州セベロドネツクとリシチャンスクに総攻撃を仕掛けている。
2022年6月11日/ウクライナ、東部ドンバス地方の避難所(Efrem Lukatsky/AP通信)

ウクライナ東部ルハンシク州の知事は11日、ロシア軍がセベロドネツクの化学工場に総攻撃を仕掛け、火災が発生したと明らかにした。

ハイダイ(Sergiy Gaiday)知事は地元メディアのインタビューの中でアゾット(Azot)化学工場の火災に言及。「ラジエーターが損傷し、数十トンのオイルが漏れた後に火災が発生した」と語った。

ウクライナ政府はこの化学工場の地下に市民少なくとも800人が避難していると推定している。

ロシア軍はルハンシク州のウクライナの最後の拠点とされるセベロドネツクとリシチャンスクに猛攻を仕掛け、手当たり次第にミサイルを撃ち込み、戦車の砲撃を浴びせているとみられる。

ロシアと親ロシアのテロ国家であるルガンスク人民共和国はこの2つの都市を占領すればルハンシク州全域を支配下に置くことができる。

ハイダイ氏はインタビューの中で、セベロドネツクの大部分がロシアに占領されたことを認めた。ロシアの国営メディアもこの地域の全居住区を支配下に置いたと報じている。

ハイダイ氏は「市内のアゾット化学工場が何時間も激しい砲撃にさらされている」と説明したが、死傷者の有無や火災が鎮火したかどうかには言及しなかった。

またハイダイ氏はセベロドネツクの現状については、「困難な状況にあるが、ウクライナ軍は管理地域を防衛している」と述べる一方、ロシア軍の無差別攻撃に苦しめられているとした。「残念ながら敵の大砲は、部隊が避難所として使っている家屋をコナゴナにしています」

「敵は我々に押されて後退すると、戦車や大砲を使って手当たり次第に街を破壊し始めます」

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、ロシア軍が東部地域の戦闘で甚大な被害を出していると述べた。

またゼレンスキー氏は、「ウクライナ軍は南部ヘルソン州やザポリージャ州で町や村を奪還し、確実に戦果を上げている」と強調した。

ヘルソン州は開戦直後に制圧され、ザポリージャ州は欧州最大規模の原発を含む地域の大部分を占領されている。

ウクライナ政府は東部に展開したロシア軍の兵器量をウクライナ軍の10倍と見積もっており、西側諸国に長距離兵器を含む兵器供給を加速するよう呼びかけている。

2022年4月18日/ウクライナ、ルハンシク州の親ロシア派(Getty Images/ロイター通信)
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