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イギリス2025年「純移民数」17万人、前年から半減、人手不足続く中

労働党政権を率いるスターマー首相は移民抑制を重要政策の一つに掲げている。
2025年8月2日/イギリス、ロンドンの移民収容施設前、極右政党の支持者と警察官(AP通信)

イギリス国家統計局(ONS)は21日、2025年の純移民数が17万1000人となり、前年の33万1000人からほぼ半減したと発表した。2023年に記録した過去最高の94万4000人から急減しており、EU離脱後に導入された移民制度以前の水準に戻った形だ。保守党政権末期から労働党政権にかけて進められた厳格な移民抑制策が、大きな影響を与えたとみられている。

減少の主因は就労・留学目的で入国する非EU圏移民の大幅減少にある。政府は近年、外国人労働者に対する最低給与基準の引き上げや、介護分野での海外人材採用の制限、留学生家族の帯同規制などを相次いで導入した。特に学生ビザ(査証)を持つ留学生の家族入国は2023年比で約87%減少したという。

労働党政権を率いるスターマー(Keir Starmer)首相は移民抑制を重要政策の一つに掲げている。背景には、反移民を強く訴える右派政党「リフォームUK」の支持拡大がある。同党は地方選挙や世論調査で存在感を強めており、労働党は有権者の不満を抑えるため、国境管理強化を急いでいる。政府は2025年、「移民制度を取り戻す」と題した白書を公表し、「管理され、公平で、選択的な制度」への転換を打ち出した。

また、難民・亡命政策も厳格化が進む。政府は小型ボートによる英仏海峡横断への対策を強化し、不法入国者の送還手続きを迅速化する方針を示している。難民認定についても、従来の恒久的保護ではなく、一時的保護へ切り替える制度改革を進めてきた。こうした強硬姿勢は「国境管理を取り戻す」という政治的メッセージの色彩が濃い。

一方で、経済界からは懸念の声も上がる。介護や外食、物流など人手不足が深刻な分野では外国人労働者への依存度が高い。特に介護業界では、高齢化が進む中で人材確保が困難になるとの指摘が出ている。専門家の間では、「移民削減が短期的な政治効果を生む一方、経済成長や公共サービスに悪影響を与える可能性がある」との見方も広がっている。

さらに、世論と実態のずれも問題視されている。シンクタンク「ブリティッシュ・フューチャー」の調査では、多くの英国民が「移民は増え続けている」と認識している一方、実際には大幅減少が進んでいることが明らかになった。移民問題は経済不安や社会保障への不満と結び付き、イギリス政治の主要争点として今後も影響力を持ち続けるとみられる。

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