◎ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽り、スウェーデンの評判に傷をつけた。
2023年7月15日/スウェーデン、首都ストックホルムの在イスラエル大使館前、記者団の取材に応じるデモ参加者(Nils Adler/Al Jazeera)

スウェーデンの在イスラエル大使館前で予定されていたトーラー(モーゼの五書)と聖書を燃やすデモが中止された。現地メディアが15日に報じた。

それによると、デモを主催した男性は聖典の冒とくを断念し、首都ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモを糾弾したという。

この男性はシリア出身。8年ほど前からスウェーデンで生活しているようだ。

男性はストックホルムの在イスラエル大使館前でライターを地面に捨て、「聖典を燃やすことはできない」と語った。

また男性はコーランを手に取り、「イスラム教への批判は受け入れるが、コーランを燃やすことは表現の自由ではない」と断じた。

ストックホルムで先月末に行われたコーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽り、スウェーデンの評判に傷をつけた。

スウェーデンの裁判所と警察はこれまで、集会、表現、デモの自由は憲法で保障されているとして、聖典の焼却を許可してきた。

男性は記者団に、「これはコーランを燃やした人々に抗議するもの、言論の自由には限界があることを示すものである」と語った。「私はイスラム教徒ですが、ユダヤ教やキリスト教の聖典を燃やすことはできません...」

また男性はこのデモに多くの懸念が寄せられたことについて、「世界を怒らせたことを理解しており、直前で焼却を中止したことに大きな意味がある」と語った。

公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)が行った最新の世論調査によると、回答者の大多数が「公の場で宗教文書の焼却を禁じる法律」の再導入を支持したという。

スウェーデンは1970年代の刑法改正で宗教の聖典の冒とくを禁じる法律を廃止した。

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