スペイン運輸相、列車事故の責任問われるも辞任拒否、今年2度目の重大事故、鉄道安全体制に批判

高速鉄道網の安全性と保守体制への疑念が広がるなか、プエンテ氏は辞任の議論より原因究明と説明責任を優先すると強調した。
2026年10月28日/スペイン、中部トレド県ウルダ、列車同士が衝突した現場(AP通信)

スペインのプエンテ(Oscar Puente)運輸相は10月30日、少なくとも69人が死亡した列車衝突事故をめぐり、辞任要求を拒否した。今年、同相の在任中に多数の死傷者を出す鉄道事故が2度発生したことで、野党議員や鉄道労組から責任を問う声が強まっている。

事故は中部トレド県ウルダ近郊で10月28日に発生。停止していた民間運行会社イリョ(IRYO)の列車に国営鉄道会社レンフェ(RENFE)の列車が追突した。

予備調査報告によると、国鉄列車は時速160~200キロで走行していた。信号システムの故障で複数の列車が自動停止した後、マドリードの中央管制センターが運行を管理。前方にレンフェの列車が停止しているにもかかわらず、国営列車に通常速度での走行を許可したことが事故につながった可能性がある。

プエンテ氏によると、当時は時速40キロ以下で走行する手順が定められていた。事故現場では身元確認が続き、49人の検視が行われた段階で正式に身元が判明したのは5人にとどまる。

一方、鉄道労組は運行管理担当者の判断だけに責任を押し付けるべきではないと批判する。事故の発端となったLZB信号システムは年間約170回故障していたとされ、更新工事も遅れていた。欧州標準の新システムERTMSは2026年初頭までに導入される予定だったが、稼働は2027年初頭にずれ込む見通しだ。

同じ路線では今年1月にも46人が死亡する事故が起きている。高速鉄道網の安全性と保守体制への疑念が広がるなか、プエンテ氏は辞任の議論より原因究明と説明責任を優先すると強調した。11月29日に総選挙を控えるサンチェス政権にとって、鉄道事故への対応は政治的にも大きな課題となっている。

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