スペイン・アリカンテ県でハンタウイルス感染疑い症例
スペイン保健省によると、患者は32歳の女性で、発熱などハンタウイルス感染と一致する症状を示している。
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スペイン南東部アリカンテ県で8日、「ハンタウイルス」感染が疑われる症例が確認され、保健当局が検査を進めている。感染が確認されれば、国際的な警戒対象となっているクルーズ船「MVホンディウス号」における集団感染との関連が疑われるケースとして注目される。
スペイン保健省によると、患者は32歳の女性で、発熱などハンタウイルス感染と一致する症状を示している。女性は現在、アリカンテの大学病院で隔離下に置かれ、国立微生物センターでPCR検査が進められている。結果は24時間以内に判明する見通しだ。
この女性は南アフリカ・ヨハネスブルクで亡くなったオランダ国籍の女性と同じ航空便に搭乗していた。この女性は南大西洋を航行していたMVホンディウスの乗客で、航海中にハンタウイルスに感染したとみられている。スペイン保健当局によると、女性は亡くなった感染者の「2列後ろ」に座っていたという。ただ、接触時間は短く、当局は「陽性となる可能性は高くない」と説明している。
今回の疑い例はクルーズ船を中心に広がる国際的な感染追跡の一環として確認された。MVホンディウスではこれまでに少なくとも3人が死亡し、複数の感染者や疑い例が各国で報告されている。感染者にはオランダ、ドイツ、イギリス、スイスなど複数国の乗客が含まれ、世界保健機関(WHO)が各国当局と連携して接触者追跡を続けている。
問題となっているウイルスは「アンデス型」と呼ばれるハンタウイルスの一種で、通常のハンタウイルスと異なり、ヒトからヒトへの感染が起こりうることで知られている。一般的にハンタウイルスはネズミなどげっ歯類の排泄物を介して感染し、発熱や筋肉痛、呼吸障害などを引き起こす。重症化すると致死率が高くなる場合もある。
WHOは現時点で「一般市民へのリスクは低い」と繰り返し強調しているが、感染経路の詳細はなお不明な点が多い。特に今回の集団感染では船内で長期間共同生活を送っていたことが感染拡大に影響した可能性が指摘されている。船には約150人の乗客・乗員が乗っており、スペイン政府はアフリカ北西部・カナリア諸島テネリフェ島での受け入れ準備を進めている。到着後は各国政府と連携し、専用車両やチャーター機を使って帰国させる計画だ。
一方で、感染拡大への懸念から、カナリア諸島の一部自治体では受け入れへの反発も出ている。新型コロナ流行時の隔離措置を想起させる事態となっており、地元住民の間では不安が広がっている。スペイン政府は「厳格な感染対策を講じる」と説明し、過度な混乱を避けるよう呼びかけている。
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