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パキスタン武装勢力が警察施設を襲撃、警察官3人死亡、自爆攻撃も

事件は同州バンヌで9日遅くに発生。自爆犯が爆発物を積んだ車両で突入し、その直後に複数の武装兵が銃撃を加えたもので、激しい銃撃戦となった。
2025年2月28日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州、自爆テロが発生したモスク(AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で治安拠点を狙ったテロ攻撃が発生し、警察官少なくとも3人が死亡した。当局が10日、明らかにした。それによると、事件は同州バンヌで9日遅くに発生。自爆犯が爆発物を積んだ車両で突入し、その直後に複数の武装兵が銃撃を加えたもので、激しい銃撃戦となった。アフガニスタン国境に近い地域で発生した今回の事件は、近年深刻化するパキスタンの武装勢力問題を象徴する出来事となった。

地元警察によると、襲撃は深夜に始まった。イスラム過激派とみられる武装勢力は爆薬を満載した車両を治安施設付近で爆発させ、周辺一帯を破壊した。爆風により警察施設だけでなく近隣住宅も吹き飛び、多数の負傷者が出たとみられる。現場では大きな爆発音が複数回確認され、複数の警察官・一般市民が瓦礫の下敷きになった可能性があるという。治安部隊が武装勢力に応戦し、夜を徹して掃討作戦を続けた。

犯行声明は現時点で出ていないが、パキスタン当局はイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)やその関連組織の関与を疑っている。TTPはアフガンのタリバン暫定政権とは別組織だが、思想的・人的つながりが深いとされる。2021年にアフガンでタリバンが政権を掌握して以降、パキスタン国内では国境地帯を中心に武装勢力による襲撃が急増している。

特にカイバル・パクトゥンクワ州では警察や軍を狙った爆弾テロ、待ち伏せ攻撃、自爆テロが多発している。今年だけでも複数の警察車列襲撃や検問所爆破テロが発生し、多数の治安要員が犠牲になった。2月にはペシャワル近郊の地区で爆弾車が治安施設に突っ込み、兵士11人と子ども1人が死亡している。今回の攻撃も同様の戦術が使われた可能性が高い。

パキスタン政府はこれまで、武装勢力がアフガン領内に拠点を置き、越境攻撃を行っていると非難してきた。一方、アフガンのタリバン暫定政権はパキスタンの指摘を否定している。両国関係は国境警備や空爆問題を巡って悪化しており、武力衝突も発生している。治安悪化は地域住民の生活に深刻な影響を与え、国境地帯で避難や経済停滞が常態化している。

今回襲撃を受けたバンヌは長年にわたり武装勢力の活動拠点とされてきた地域で、治安部隊への攻撃が繰り返されている。近年のパキスタンではイスラム過激派だけでなく分離独立を掲げる勢力によるテロも増加し、政府は軍・警察による大規模掃討作戦を強化してきた。しかし、武装勢力側も自爆攻撃や小規模ゲリラ戦を組み合わせた戦術を進化させて対抗、治安改善には至っていない。

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