プーチン氏、ウクライナ戦争の終結に言及「終わりに近づいている」
発言の背景には米国が仲介した3日間の一時停戦がある。
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ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は9日、ウクライナ侵攻をめぐり、「この問題は終わりに近づいていると思う」と述べ、4年以上続く戦争が収束へ向かう可能性に言及した。一方で、和平交渉の具体的な進展は見えておらず、ロシアとウクライナ双方が停戦違反を非難し合っている。欧州各国では交渉再開への模索が進むものの、和平実現への道筋は依然不透明なままだ。
プーチン氏は対ナチス・ドイツ戦勝記念日の軍事パレード後、モスクワの記者団に対し、2022年2月に始まったウクライナ侵攻について、「終結に向かっている」との認識を示した。ロシアのウクライナ侵攻は冷戦後最悪ともいわれるロシアと欧米諸国の対立を招き、核戦争への懸念が高まった1962年のキューバ危機以来、最大級の国際危機に発展した。
発言の背景には米国が仲介した3日間の一時停戦がある。ロシアとウクライナは、ロシアの対独戦勝記念日に合わせて5月9~11日までの停戦に合意した。双方は大規模攻撃を控え、1000人規模の捕虜交換も実施する見通しだ。トランプ(Donald Trump)米大統領は停戦延長への期待を表明し、恒久停戦への足掛かりとなることに期待感を示した。
ただ、戦闘が完全に停止したわけではない。ウクライナ側はロシア軍によるドローン攻撃が続いていると非難、ロシア側もウクライナ軍による停戦違反を訴えている。前線地域では散発的な交戦が続いており、停戦は極めて脆弱な状態にある。
また、クレムリン内部でも慎重論が根強い。ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は9日、「平和への道のりはまだ非常に長い」と述べ、領土問題や安全保障をめぐる対立が解消されていないことを強調した。ロシアはウクライナ東部・南部4州の支配維持や、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟阻止を求めているが、ウクライナは領土割譲を拒否している。
欧州では外交交渉再開への動きも出ている。英紙フィナンシャル・タイムズは欧州連合(EU)首脳らがプーチン氏との協議再開に向けた準備を進めていると報じた。プーチン氏自身も欧州側との対話に前向きな姿勢を示したが、「まず接触を始めるべきなのは欧州側だ」と主張した。さらに、交渉相手として親ロシア派で知られるドイツのシュレーダー(Gerhard Schroeder)元首相の名前を挙げた。
ロシアでは同日、対独戦勝81周年を祝う軍事パレードが行われた。ただ、ウクライナ軍による無人機攻撃への警戒から、近年より規模が縮小された。プーチン氏は演説で「ロシアは常に勝利する」と述べ、侵攻を「特別軍事作戦」と位置づけた上で、愛国主義を強調した。
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