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インドネシア警察、オンラインカジノ取り締まり作戦で外国人321人を逮捕

内訳はベトナム国籍228人、中国籍57人のほか、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、マレーシア出身者が含まれている。
カジノのイメージ(Getty-Images)

インドネシア警察は9日、首都ジャカルタで大規模な摘発作戦を実施し、違法オンライン賭博に関与した疑いで外国人321人を逮捕したと発表した。同国で近年行われたオンライン犯罪摘発としては最大規模の一つであり、当局は国際犯罪組織との関連も視野に捜査を進めている。

逮捕者の大半はベトナム人で、内訳はベトナム国籍228人、中国籍57人のほか、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、マレーシア出身者が含まれている。警察によると、摘発はジャカルタ中心部の中華街近くにある商業ビルで行われた。捜査当局はこの施設が70以上のオンラインカジノサイトの運営拠点として使われていたとみている。サイトは主にインドネシア国外の利用者を対象としていたという。

インドネシア国家警察の責任者は記者会見で、「容疑者たちは違法オンライン賭博に関する活動を行っている最中に現行犯逮捕された」と説明した。組織は高度に分業化され、顧客対応、テレマーケティング、資金管理など役割ごとに担当者が配置されていたという。当局はこの組織が少なくとも2カ月前から活動していたとみている。

警察は摘発現場から現金、パスポート、スマートフォン、パソコンなど大量の証拠品を押収した。組織が運営していたサイトは少なくとも75に上る可能性があるという。また、逮捕された外国人の多くは短期滞在ビザ(査証)で入国した後、滞在期限を超えて不法に働いていた疑いがある。これまでに275人が立件され、賭博関連法や出入国管理法違反で最長9年の禁錮刑と最大20億ルピア(約1800万円)の罰金を科される可能性がある。

インドネシアではオンラインカジノは法律で全面的に禁止されている。世界最大のイスラム教徒人口を抱える同国では、宗教的観点からも賭博への規制が厳しく、政府は近年、違法サイトの取り締まりを強化してきた。前政権は2024年、「オンライン賭博撲滅タスクフォース」を設置し、警察や通信当局が連携してサイト遮断や摘発を進めている。

背景には、東南アジアで拡大する国際的なオンライン犯罪ネットワークの存在がある。インドネシア当局によると、近年カンボジアでオンラインカジノや詐欺組織への取り締まりが強化された結果、犯罪組織の一部がインドネシアへ拠点を移し始めているという。実際、バリ島やスラバヤ、バタム島でも類似の国際犯罪組織が摘発されており、外国人を大量に雇用したオンラインカジノ拠点が各地で確認されている。

東南アジアでは近年、オンラインカジノと特殊詐欺、マネーロンダリング、人身売買が結び付いた越境型犯罪が深刻化している。特にカンボジアやフィリピンでは中国系犯罪組織が巨大なオンラインカジノ施設を運営し、多数の外国人労働者を働かせていた実態が明らかになっている。各国政府は共同対策を進めているものの、組織側は規制の緩い国へ拠点を移動させる傾向が強く、いたちごっことなっている。

インドネシア当局は今回の摘発について、「捜査はまだ始まりに過ぎない」としており、背後にいる資金提供者や運営責任者の特定を急いでいる。政府は今後、出入国管理や通信監視を強化し、国際機関とも連携しながらオンライン犯罪組織への圧力を強める方針だ。

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