セルビア大統領が辞意表明、任期1年残し、解散総選挙へ
ブチッチ氏は2014年に首相に就任し、2017年から大統領を務めるなど、約13年間にわたりセルビア政治を主導してきた。
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セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は27日、首都ベオグラードの政治集会で、「あと数週間で大統領を辞任する」と表明。辞任後、大統領選挙と議会選挙を前倒しで実施する考えを示した。ブチッチ氏の2期目の任期は2027年半ばまで残っていたが、長期化する反政府デモを受け、政権の信任を改めて国民に問う姿勢を示した形だ。
ブチッチ氏は2014年に首相に就任し、2017年から大統領を務めるなど、約13年間にわたりセルビア政治を主導してきた。27日の演説では、自身が率いる与党・セルビア進歩党(SNS)の勝利に向けて引き続き支援する考えを示した一方、辞任の具体的な日程や、前倒し選挙実施に必要となる議会解散の時期については明らかにしなかった。
セルビアでは2024年11月、北部ノビサドの鉄道駅で庇(ひさし)が崩落し、子どもを含む16人が死亡する事故が発生した。この事故を契機に、建設事業を巡る汚職や政府の管理体制への批判が高まり、学生を中心とする大規模な反政府デモが全国へ拡大した。デモ隊はこの事故について、長年の腐敗と行政の怠慢が招いた「人災」と位置付け、政府に説明責任を求めてきた。数万人規模の抗議集会が各地で開かれ、一部では警察との衝突も起きている。
野党や学生運動の指導者は今回の辞任表明について、「抗議運動によって追い込まれた結果」と受け止めている。学生団体「ムーブ・チェンジ運動」の代表はX(旧ツイッター)への投稿で、ブチッチ氏が辞任と前倒し選挙を打ち出したのは「避けられない政権交代を先送りするための政治的判断だ」と批判した。一方、ブチッチ氏は野党側の主張を否定し、自身や政権に向けられている汚職や組織犯罪との関係、メディア統制などの疑惑についても一貫して否認している。
セルビアは欧州連合(EU)加盟候補国である一方、加盟実現には法の支配の強化や汚職対策、自由で公正な選挙の実施などが求められている。また、ロシアによるウクライナ侵攻を巡る対ロシア制裁への対応でもEUとの立場の違いが課題となってきた。ブチッチ氏の辞任表明によってセルビア政治は大きな転換点を迎えることになる。前倒し選挙が国内の政治的対立を収束させる契機となるのか、それとも混乱をさらに深めるのかが注目される。
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