◎セルビアは保守的な国であり、ポピュリストのブチッチ大統領の下、右翼の過激派が勢力を伸ばしている。
2023年9月9日/セルビア、首都ベオグラード、LGBTプライドパレード(AP通信)

セルビアの首都ベオグラードで9日、LGBTQ+(性的少数者)の権利拡充を訴える活動家や団体などがプライドパレードを行い、数百人が参加した。

セルビアは保守的な国であり、ポピュリストのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領の下、右翼の過激派が勢力を伸ばしている。

ベオグラードでは昨年、プライドパレードに反対するセルビア・キリスト教と活動家の間で小競り合いが起き、機動隊が出動する事態となった。

9日のデモに参加した市民は「結婚の権利」「自由」「資本主義だけでなくクィア(既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称)も解放を」などと書かれた横断幕を掲げた。

機動隊はデモに先立ち、ベオグラード中心部を封鎖。その中にある教会ではLGBTに反対する司祭ら約50人が集会を開いた。

ある反ゲイ活動家は中心部のメインストリートに「プライドパレードはいらない」と書かれた横断幕を掲げていた。

ブチッチ氏は今回のプライドパレードに先立ち声明を発表。「デモの権利は認めるが、同性婚やパートナーシップ制度を認める法案を承認することはない」と主張した。

またブチッチ氏はパレードの間、中心部にレインボーフラッグを掲げることを禁じた。

セルビア初の女性首相であり、同性愛者であることを公表しているブルナビッチ(Ana Brnabic)首相はLGBTQ+の権利拡充に関する発言をほとんどしていない。

今回のパレードに先立ち、25カ国の大使館やEU代表部がLGBTQ+とその価値観への支持を表明。LGBTQ+の権利保護を促す共同声明を発表した。

セルビアはEU加盟を目指しているが、ブチッチ氏は同性愛者の権利を軽視し、ロシア寄りの政策を推進している。

セルビアはウクライナ侵攻を非難する国連決議に賛成したものの、西側の対ロシア制裁には参加していない。

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