ロシア有力独立紙「ノーバヤ・ガゼータ」が廃刊へ、当局の圧力で30年超の報道活動に幕

同紙は声明で、ロシア当局と治安機関によって編集部の活動継続が不可能になったと説明。司法省による「外国の代理人」指定や罰金、ウェブサイトの遮断、印刷施設の差し押さえ、メディア登録の取り消しなど、段階的に報道活動を制限されてきたと非難した。
2021年10月8日/ロシア、首都モスクワ、ノーベル平和賞を受賞したジャーナリストのドミトリー・ムラトフ氏(Getty Images/AFP通信)

ロシアを代表する独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」は10月30日、当局による継続的な圧力を理由に、11月9日付でモスクワの編集部を閉鎖し、最終号を発行すると発表した。1993年の創刊以来、30年以上にわたってクレムリンを批判する調査報道を続けてきた有力紙が、事実上の廃刊に追い込まれることになった。

同紙は声明で、ロシア当局と治安機関によって編集部の活動継続が不可能になったと説明。司法省による「外国の代理人」指定や罰金、ウェブサイトの遮断、印刷施設の差し押さえ、メディア登録の取り消しなど、段階的に報道活動を制限されてきたと非難した。さらに、編集部に対する立ち退き命令や読者から寄付を受け取る仕組みの停止によって、資金と活動拠点を失ったという。

同紙は旧ソ連の故ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領の支援を受けて創刊された。汚職や人権侵害、政府高官の不正などを追及し、ロシア国内で独立した報道を続ける数少ないメディアとして知られてきた。しかし、2022年のウクライナ侵攻開始後、軍や政府への批判を厳しく取り締まる法律が導入され、独立系メディアへの圧力が急速に強まった。

同紙では、これまでに6人の記者が殺害されている。チェチェン紛争における人権侵害を調査したアンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)氏は2006年、モスクワの自宅アパートで射殺された。長年編集長を務めたムラトフ(Dmitry Muratov)氏は2021年にノーベル平和賞を受賞したが、2023年に当局から外国の代理人に指定された。

同紙は、今回の閉鎖は自社だけの問題ではなく、ロシア社会全体で市民の権利や自由が損なわれていることの表れだと訴えた。一部の元記者は国外に拠点を移し、「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」として活動を続けている。ロシア国内に残る独立報道の基盤は、さらに縮小することになる。

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