シリア政府、イエメンへの派兵計画を否定、サウジとの軍事協力は拡大へ、防衛同盟参加も視野

シリアは2024年、イランと緊密だったアサド政権がシャラア氏率いる反政府勢力によって崩壊して以降、サウジや米国との関係を急速に改善させてきた。
2025年2月2日/サウジアラビア、首都リヤド、サルマン皇太子(右)とシリアのシャラア暫定大統領(AP通信)

シリア政府は7日、イエメンに軍部隊を派遣する計画があるとの報道を否定した。一方、サウジアラビアとの軍事協力については、訓練や軍事能力の強化を中心に拡大する可能性を示した。国営シリア・アラブ通信(SANA)が政府関係者の話しとして報じた。両国は11月4日、シャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領のサウジ訪問に合わせて防衛協力協定を締結しており、関係強化が進んでいる。

サウジは7月以降、イエメンの親イラン武装組織フーシ派との敵対関係を強めている。中東全域で戦闘が再燃し、イエメン内戦も激化する中、サウジは防衛・攻撃両面で各国に軍事支援を求めてきた。

ロイター通信は6日、シリア軍関係者2人と米政府高官の話しとして、シリアが最近、軍事顧問や訓練要員として少数の兵士をサウジに派遣したと報じていた。

これに対し、シリア外交筋はイエメンへの派兵報道を根拠のないものとして退け、現在の軍事協力は部隊の訓練、能力向上、軍事技術や専門知識の交換に限定されていると説明した。サウジ当局者によるシリアへの調整訪問は12月に始まる予定で、今後、サウジ、トルコ、パキスタンが参加する「メッカ共同防衛協定」へのシリア加盟に発展する可能性もあるという。

シリアは2024年、イランと緊密だったアサド政権がシャラア氏率いる反政府勢力によって崩壊して以降、サウジや米国との関係を急速に改善させてきた。今回の協力拡大は地域の安全保障体制にも影響を及ぼす可能性がある。ただし、シリア側は国内治安の確立や復興、経済再建を優先課題としており、国外での軍事作戦への直接参加には慎重な姿勢を示している。

あなたへのおすすめ