フランス左派大統領候補メランション氏、経済刺激策を公約、最低賃金引き上げとNATO脱退を主張

メランション氏は最低賃金の引き上げや年金改革の撤回に加え、北大西洋条約機構(NATO)からの段階的脱退を改めて主張し、マクロン大統領の政策との違いを鮮明にした。
左派政党「不屈のフランス(LFI)」のメランション氏(AP通信)

フランスの左派政党「不屈のフランス(LFI)」のメランション(Jean-Luc Mélenchon、75歳)氏は7日、2027年大統領選に向けた政策綱領を発表し、大規模な経済刺激策と社会保障の拡充を柱とする公約を打ち出した。

メランション氏は最低賃金の引き上げや年金改革の撤回に加え、北大西洋条約機構(NATO)からの段階的脱退を改めて主張し、マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策との違いを鮮明にした。

パリ北郊の集会で発表した政策綱領「共有された未来」では、現在約1480ユーロの月額手取り最低賃金を1700ユーロに引き上げる方針を示した。また、必需品価格の上限設定や賃金のインフレ連動を進め、富裕層への課税を強化することで、家計の購買力を高める。国内産業の保護や海外移転した生産拠点の国内回帰も促進し、国家の経済介入を強める構想だ。

年金政策では、マクロン政権が進めた法定退職年齢を62歳から64歳へ段階的に引き上げる改革を撤回し、40年間保険料を納付した労働者について退職年齢を60歳に戻すとした。エネルギー政策では原子力発電の段階的縮小と再生可能エネルギーへの全面転換を掲げ、次世代原子炉EPR2の建設計画を中止する方針も示した。

外交面では、NATOの統合軍事機構(NCS)からの離脱を第一段階として、同盟から段階的に脱退すると主張した。メランション氏は米国の軍事介入を批判し、独自の外交・安全保障政策を追求する姿勢を打ち出している。また、欧州連合(EU)の経済政策に対するドイツの影響力も批判した。

世論調査では、メランション氏は極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)議員に次ぐ有力候補とされ、決選投票への進出も視野に入る。ただし、決選投票ではルペン氏に敗れるとの予測が多い。

一方、フランスでは物価高や公共サービスの悪化を背景に抗議活動が続いており、同氏の積極財政路線が有権者の支持をどこまで広げるかが焦点となる。

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