ルーマニア政府がヒグマの駆除を拡大、年間捕獲枠900頭
環境省によると、ルーマニアには約1万~1万3000頭のヒグマが生息しており、ロシアを除く欧州で最大規模の個体数となっている。
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ルーマニア政府は、国内で増加するヒグマと市民の接触事故を受け、年間の捕獲枠を約900頭へ倍増させる予定である。背景には、住宅地や観光地にクマが頻繁に出没し、人身被害が相次いでいる現状がある。
環境省によると、ルーマニアには約1万~1万3000頭のヒグマが生息しており、ロシアを除く欧州で最大規模の個体数となっている。過去20年間で30人余りがヒグマに襲われ死亡した。
カルパチア山脈を通る景勝地トランスファガラシャン高速道では、数時間のうちに20頭以上のヒグマが車道脇に現れ、観光客が餌を与えたり写真撮影をしたりする様子が確認されている。道路沿いには餌やりを禁じる標識が設置され、違反者には高額の罰金が科されるものの、実際には規制が十分に守られていない。都市開発や気候変動による生息地の縮小・分断で、クマが食料を求めて人里へ近づく傾向が強まっていることも問題を深刻化させている。
一方、動物保護団体や専門家は、捕獲枠の拡大だけでは根本的な解決にならないと批判する。ハンターは住宅地に現れる個体ではなく、森林内の大型個体を狙う可能性が高く、人身被害の防止には結び付きにくいとの指摘がある。また、自治体には住宅地に侵入したクマを駆除する権限が与えられているほか、餌やりへの罰則、ごみ管理の徹底、電気柵設置への補助制度なども整備されているが、運用や取り締まりが不十分だという。
専門家は、法令の実効性を高めるとともに、人と野生動物の共存を図る対策を強化することが不可欠だと訴えている。
