◎プロタセビッチ氏はメッセージアプリ「テレグラム」上の反体制派チャンネル「ネクスタ(Nexta)」の共同創設者であり、独裁者のルカシェンコ大統領を厳しく批判してきた。
2021年5月25日/ベラルーシ、ジャーナリストのプロタセビッチ氏(左)とガールフレンドのサペガ氏(ロイター通信)

ベラルーシ検察は21日、2年前に拘束された反政権派ジャーナリスト、プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏の裁判で禁固10年を求刑した。

ベラルーシ当局は2021年5月、ギリシャからリトアニアに向かっていた英ライアンエアー社の旅客機内に爆弾が仕掛けられているとウソをつき、首都ミンスクの空港に強制着陸させたうえで、搭乗していたプロタセビッチ氏とガールフレンドのサペガ(Sofia Sapega)氏を拉致した。

プロタセビッチ氏はメッセージアプリ「テレグラム」上の反体制派チャンネル「ネクスタ(Nexta)」の共同創設者であり、独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を厳しく批判してきた。

プラタセビッチ氏は逮捕後、約1カ月刑務所に収容され、その後自宅軟禁下に置かれていた。

ガールフレンドのサペガ氏は昨年、扇動罪で禁固6年を言い渡された。プラタセビッチ氏も扇動罪などで起訴されている。

2020年8月の不正大統領選に抗議するデモはベラルーシ史上最大規模となり、数十万人がルカシェンコ政権に退陣を迫った。

人権団体「ビアスナ人権センター」によると、ベラルーシ当局はデモ参加者3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打し、数十の独立系メディアやNGOを閉鎖に追い込んだという。

欧米諸国は旅客機の強制着陸をハイジャックと糾弾し、ベラルーシに厳しい制裁を科した。

プラタセビッチ氏は逮捕後、国営テレビのインタビューで罪を告白したが、西側はそれを強要されたものと非難した。

ビアスナによると、プラタセビッチ氏は21日の公判で元気な姿を見せたという。ネクスタの創設者2人も欠席裁判にかけられている。

一方、ビアスナは同日、昨年ノーベル平和賞を受賞し、先月禁固10年を言い渡された人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏の控訴が棄却されたと報告した。

ビアスナによると、反対運動に関与した活動家やジャーナリスト約1500人が公正な裁判を受けることなく投獄されたという。

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