◎バイデン大統領とプーチン大統領は6月16日にスイスのジュネーブで会談する。
2021年6月10日/ロシア、モスクワ郊外のノボオガリョボ邸、ウラジーミル・プーチン大統領(ロイター通信/スプートニク)

6月12日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、アメリカのジョー・バイデン大統領が前任者より衝動的ではないことを望んでいると述べた。

プーチン大統領は米NBCニュースのインタビューの中で、米ロ関係はここ数年で最低点まで悪化したと述べた。

また、ドナルド・トランプ前大統領は才能のあるカラフルな人物だったが、バイデン大統領は政治のキャリアマンであり、「合衆国大統領のいくつかの長所と短所を持ち合わせているが、衝動的な動きは避けるだろう」と付け加えた。「バイデン大統領は人生の大半を政治に費やしたキャリアマンです。彼は話の分かる男です...」

バイデン大統領とプーチン大統領は6月16日にスイスのジュネーブで会談する。このトップ会談は現在イギリスで開催されているG7以上の注目を集めており、バイデン大統領は軍拡、ウクライナ問題、サイバーハッキング問題、野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏の暗殺未遂と投獄問題、ベラルーシ問題、気候変動など、「差し迫った全ての危機」をカバーすると期待されている。

プーチン大統領はインタビューの中で、バイデン大統領に「殺人者」と呼ばれたことを却下した。「私はあらゆる角度、あらゆる分野から攻撃を受けており、この類の攻撃には慣れています。そして、この類の攻撃に私は驚きません」

バイデン大統領は3月に先日放送されたABCニュースのインタビューの中で、プーチン大統領を殺人者と認め物議を醸した。

2011年3月10日/ロシア、首都モスクワ、ジョー・バイデン副大統領(当時)とウラジーミル・プーチン大統領(AP通信/Alexander Zemlianichenko)

プーチン大統領は、「バイデン大統領は私を知らない」と殺人者発言を却下したうえで、野党指導者のナワルニー氏の暗殺未遂に関わったという疑惑をあらためて否定した。

ロシアの強制収容所に押し込まれているナワルニー氏は昨年、ソビエト産の猛毒「ノヴィチョク」をロシアのエージェントに塗布され殺されかけたが、九死に一生を得た。

プーチン大統領はNBCのアンカーに合衆国大統領の交代について尋ねられると、「現職の大統領の衝動的な動きがなくなることを期待しているが、トランプ氏との補完関係を維持し続ける」と述べた。「トランプ氏は並外れた才能のある人です。彼はカラフルな人です。あなた(NBCのアンカー)は彼が好きではないかもしれません。しかし、トランプ氏はこれまでの合衆国大統領にはないものを持っていました...」

バイデン大統領は13日に英ウィンザー城でエリザベス2世と会談し、15日にブリュッセルでEU・NATO会議に出席した後、プーチン大統領と顔を合わせる。二人の対面会談は約10年振り。

一方、G7は12日、中国の一帯一路イニシアティブ(BRI)に対抗するビルドバック・ベター・ワールドプラン(B3W)で低所得国を支援すると発表した。バイデン大統領はB3WをBRIに代わる高品質なものにしたいと述べた。

中国はBRIで低所得国のインフラ開発を支援してきたが、相手国に多くの債務を負わせたとして批判されてきた。

ただし、BRIの資金調達方法や規模は明らかにされておらず、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、「G7はまだ新しいイニシアティブの詳細を公開できる段階にない」と述べた。

2021年6月11日/イギリス、コーンウォール、カービスベイホテルの海岸、G7、欧州委員会、欧州理事会の首脳(PAメディア/レオン・ニール/AFP通信)
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