イタリア北部で警察に抗議するデモ、拘束中に男性が死亡した事件めぐり
死亡したのはモロッコ生まれの42歳、アブデラヒム・ファキル(Abderrahim Fakir)さん。
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イタリア北部ボローニャで20日、警察による拘束中に男性が死亡したことを受け、大規模な抗議デモが発生し、一部の参加者と治安部隊が衝突した。
警察は催涙ガスや放水車を使用して群衆の排除を図り、現場は一時騒然となった。死亡した男性を巡る映像がインターネット上で拡散したことで、警察の対応を疑問視する声が高まり、事件はイタリア社会に大きな波紋を広げている。
死亡したのはモロッコ生まれの42歳、アブデラヒム・ファキル(Abderrahim Fakir)さん。ボローニャで引っ越しや清掃事業を営んでいた。地元メディアによると、20日、男性が路上で攻撃的な行動を取り、車両を損壊しているとの通報を受けて警察官が出動した。警察は男性を制圧するため路上に押さえ込み、拘束を試みたが、その最中に男性の容体が急変し、その後死亡が確認された。
拘束の様子を撮影した動画には、男性がうつ伏せの状態で複数の警察官に押さえつけられ、「息ができない」「助けて」と訴える様子が映っていた。その後、男性の動きが止まり、救急隊による処置が行われた。この映像はSNSで急速に拡散し、2020年に米国で起きたジョージ・フロイド(George Floyd)さん死亡事件を想起させるとの指摘が相次いだ。
事件を受けてボローニャ市内では数百人規模の抗議デモが行われた。当初は男性の遺影を掲げて追悼する平和的な集会だったが、一部の参加者が警察施設周辺で機動隊と衝突し、石などが投げられたため、機動隊が催涙ガスや放水車を使って鎮圧した。市内では緊張状態が続き、多数の警察官が警戒に当たった。
ボローニャ検察は事件について捜査を開始し、警察官が装着していたボディカメラの映像や現場の映像を分析するとともに、司法解剖を実施して死因の特定を進める方針を示した。警察側は捜査に全面的に協力する姿勢を示しており、当時の対応が適切だったかどうかが焦点となる。
ピアンテドージ(Matteo Piantedosi)内相は捜査機関への信頼を表明し、市民に対し、事実関係が明らかになるまで冷静な対応を求めた。一方で、野党や人権団体は警察の過剰な実力行使の可能性を指摘し、透明性の高い調査を要求している。
ファキルさんの遺族は「警察に殺された」と強く非難し、真相究明と責任者の処罰を求めている。事件はイタリアにおける警察権限の在り方や移民・少数民族への対応を巡る議論を再燃させる可能性がある。
