クルド人女性のアミニさんの死と道徳警察の暴力に抗議するデモはイラン指導部への挑戦に発展した。
2022年10月22日/ドイツ、首都ベルリン、イラン指導部に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は12日、抗議デモを暴力で抑え込もうとするイラン政府を厳しく非難し、追加制裁を科すと明らかにした。

ショルツ氏は政府のウェブサイトとSNSに声明を投稿。ドイツ人はイランの抗議者の横に立っていると述べ、取り締まりを糾弾した。

またショルツ氏はこの抗議デモについて、「もはや単なる服装の問題ではなく、自由と正義をかけた闘いに発展している」という見方を示した。

イランの首都テヘランでクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんが殴り殺された事件に抗議するデモはまもなく開始から2カ月を迎える。

アミニさんは9月13日、テヘランを訪問中にヒジャブ(スカーフ)を適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。

アミニさんの死と道徳警察の暴力に抗議するデモは1979年のイスラム革命を彷彿とさせる勢いに発展し、イラン指導部に圧力をかけている。

ショルツ氏は「イラン政府の弾圧に驚愕し、嫌悪感を抱いている」と述べ、暴力の責任が指導部にあることは明らかだと糾弾した。

またショルツ氏はイラン政府がロシア軍に自爆ドローン数百機を供与したことにも言及し、「EUはイランに追加制裁を科すだろう」と述べた。EU外相は14日の協議で追加制裁に合意する見込みだ。

ドイツのベーアボック(Annalena Baerbock)外相は14日、イラン外相から内政に干渉するなと指摘されたことを非難し、「断固とした対応を取る」と誓った。

イラン外相は今月初め、ドイツが介入する姿勢を示していると警告していた。ベーアボック氏は連邦議会の演説でこの警告を叩き落とし、さらなる制裁を科すと明言した。

ショルツ氏はイラン外相がドイツに圧力をかけたことについて、「自国民を撃って何の意味があるのか?」と断じた。「彼らは反撃を覚悟すべきです...」

ノルウェーに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)などによると、治安部隊の攻撃でこれまでに民間人少なくとも328人が殺害され、数万人が負傷し、1万4000人以上が拘束された。

イラン、首都テヘラン、道徳警察の暴力に抗議するデモ(Getty Images)
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