◎ロシアとドイツを結ぶノルドストリーム2の建設工事は昨年完了したが、ドイツ政府はウクライナ侵攻を受け、運用開始手続きを凍結している。
2021年11月16日/ドイツ、ノルドストリーム2ガスパイプラインの看板(Stefan Sauer/ドイツ通信社/AP通信)

デンマーク当局は26日、バルト海に敷設されたロシアのガスパイプライン「ノルドストリーム2」から天然ガスが漏洩し、船舶の航行を危険にさらしていると警告した。

ロシアとドイツを結ぶノルドストリーム2の建設工事は昨年完了したが、ドイツ政府はウクライナ侵攻を受け、運用開始手続きを凍結している。

デンマーク政府はボーンホルム島沖に敷設されたパイプラインの周囲5海里(9km)以内を航行禁止に設定した。

エネルギー省は声明の中で、「パイプラインの圧力が低下したと報告を受けた」と説明している。

ノルドストリーム2を運営する事業会社ノルドストリーム2AGによると、パイプラインの圧力低下は25日遅くに確認されたという。

同社は26日付けの声明で、「ノルドストリーム2のパイプラインAで急激なガス圧の低下を確認した」と報告。調査を進めているとした。同社の大株主はロシア国営ガスプロム社である。

デンマークのエネルギー省は漏洩に懸念を表明する一方、「安全保障上のリスクはない」と国民に呼びかけている。「この事故がデンマークのガス供給に影響を与えることはないと思われます...」

ノルドストリーム2の運用開始手続きは無期限延期されているが、パイプ内にはすでに天然ガスが送り込まれているため、ガス漏れは事故や環境汚染につながる可能性がある。

ガスプロム社はノルドストリーム1を数週間前に停止している。同社は西側の対ロシア制裁の影響で点検や修理に必要な機材を入手できないと主張している。

EUはロシアが天然ガスを武器化したと非難しているが、ロシアはこれを否定している。

ウクライナ侵攻以来、欧州のエネルギー価格は高騰しており、低中所得者層に圧力をかけている。

一部の専門家は多くの家庭が今冬、電気とガス代の支払いに苦労すると予想している。

EUはロシア産化石燃料の購入を減らすためにアフリカや中東の同盟国と新たな契約を結んでいるが、ロシア産ガスの輸入量を大幅に減らすにはかなりの時間がかかると見込まれている。

2022年6月21日/ドイツ、ルブミンのガスパイプライン接続点(Getty Images/AFP通信)
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