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モロッコ国王「スペインとの移民協力は限界に」新たな戦略策定へ

両国間の緊張が高まる背景には、7月末にスペイン領セウタに多数の移民が流入した問題がある。
2026年7月31日/スペイン領セウタに到着した移民たち(AP通信)

モロッコの国王モハメド6世(King Mohammed VI)は9日、不法移民の流入抑制に向けたスペインとの協力について、現行の枠組みは限界に達したとの認識を示した。

モハメド6世は議会演説で、モロッコの取り組みは具体的な成果を上げてきたと評価する一方、移民をめぐる危機が繰り返されていることから、新たな協力モデルが必要だと訴えた。

両国間の緊張が高まる背景には、7月末にスペイン領セウタに多数の移民が流入した問題がある。7万人以上がモロッコ側からセウタへ渡り、大半は帰還したものの、未成年者を含む約1万人がスペイン側に残った。

スペイン国内ではサンチェス政権の対応を批判する声が上がり、モロッコが移民の流入を促したとの非難も出ている。モロッコ側はこれを否定し、ソーシャルメディア上の情報や裁判所の判断をめぐる誤解が混乱を招いたと主張している。

モハメド6世はスペインとの協力について、不法移民対策を含む複数の分野で進展してきたと指摘した。しかし、現行の法規定が時代遅れで、現実から乖離した司法判断が協力を妨げているとも批判した。国王によると、こうした制度上の障害が未成年者や、難民申請者を装っているとモロッコ側がみなす人々の送還を難しくし、犯罪ネットワークの活動を助長しているという。

一方、国王はモロッコとスペインの関係を圧力や脅迫、政治的な駆け引きの対象にすることを拒否した。両国の協力はモロッコの主権に基づく自発的な選択であり、相互尊重が不可欠だとの立場を強調した。

モロッコ政府は今後、共通の発展、経済競争力の強化、地域の安定を柱とする新たな戦略構想をスペインに提示する方針だ。両国関係は2022年にスペインが西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)自治案への支持を表明して以降、改善してきたが、今回の移民危機が新たな試練となっている。

国王は演説で、若者を公共政策の中心に据える必要性も訴えた。移民対策の再構築に加え、雇用や経済機会の拡大を通じて社会の安定を図れるかが、今後のモロッコ政府の課題となる。

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