◎株式を取得するためにはEU規制当局の承認が必要である。
ドイツのフランクフルト国際空港、ルフトハンザ社の旅客機(ドイツ通信社)

ドイツ航空大手ルフトハンザは25日、経営難に陥っているイタリア国営航空会社ITA(旧アリタリア航空)の株式の一部を取得することでイタリア政府と合意に達した。

イタリア財務省は声明で、「ルフトハンザとの取り引きおよび産業計画により、ITAの今年の収益は25億ユーロに、2027年には41億ユーロに拡大する」と述べているが、取り引きの詳細は明らかにしていない。

それによると、この株式売却により、ITAは今後4年間で保有機を現在の71機から94機に増やす見込み。また新規雇用により従業員を5500人に拡大するとしている。

ITAは今後、長距離路線に重点を置く予定だ。

ルフトハンザ・グループはイタリアのビジネスと金融の中心地であるミラノにも成長の可能性があるとして、この取り引きを歓迎している。

ただし、株式を取得するためにはEU規制当局の承認が必要である。

ITAとその前身であるアリタリア航空は国内および欧州路線で格安航空会社に敗れたため、長い間、産業界のパートナーを探していた。しかし、この15年間、パートナー候補との交渉はすべて失敗に終わった。

10年以上赤字で運航していたアリタリア航空の事業は2021年10月にITAに引き継がれた。

ルフトハンザは今年初めに行われたITAの最新のパートナー探しでオファーを出した唯一の航空会社だった。

ルフトハンザは伊ベローナに拠点を置くエア・ドロミティ(地域航空会社)の株式も取得し、ミラノ、ベローナ、ベニスなどの都市からミュンヘンとフランクフルトへの長距離路線を運航している。

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