◎現地メディアによると、ケーブルカーの本体ケーブルの断線と緊急ブレーキの無効化の因果関係はまだ明らかにされていないという。
2021年5月23日/イタリア北部のピエモンテ地域、墜落したストレーザ-モッタローネ線のケーブルカーを調査する当局者(AP通信/Luca Bruno)

現地メディアによると、イタリアの警察は北部ピエモンテ地域で5月23日に発生したケーブルカー墜落事故に関与したとされる関係者3人を逮捕したという。

オリンピア・ボッシ検察官は5月26日の声明で、「事故を起こしたストレーザ-モッタローネ線のオペレーターは、ケーブルカーの緊急ブレーキの動作をジュエーリグクランプと呼ばれる装置を使用して意図的に止めていた」と述べた。

ストレーザ-モッタローネ線はマッジョーレ湖沿岸の町ストレーザからモッタローネ山を結ぶケーブルカーとして長年利用されてきた。

ストレーザのマルセラ・セヴェリーノ市長は先日の声明で、「ケーブルカーは23日の現地時間12時30分頃に墜落した」と述べた。「ケーブルカーは約20m下の地面に墜落し、斜面を転がり落ち、樹木に衝突しました...」

墜落で子供1人を含む14人の死亡が確認された。唯一の生存者である5歳の少年は危篤状態と伝えられていたが、地元メディアによると容体は回復に向かっているという。

イタリアのSky TG24は、逮捕された容疑者はケーブルカーの運航会社の所有者、最高経営責任者、運行責任者と報じた。

事故現場

ボッシ検察官は記者団に対し、「緊急ブレーキは意図的に操作されていた」と述べた。「ケーブルカーはいつ事故を起こしてもおかしくない状態でした...」

現地メディアによると、ケーブルカーの本体ケーブルの断線と緊急ブレーキの無効化の因果関係はまだ明らかにされていないという。しかし、ボッシ検察官は、「容疑者たちは運行に支障がでるという理由でここ数週間の間に数回、緊急ブレーキを意図的に操作していた」と述べた。

イタリアのコリエーレ・デラ・セラ紙は、「容疑者たちケーブルカーの修理を行えば運行に支障が出ると考え、ジュエーリクランプを使用した」と報じた。「容疑者たちはケーブルカーは決して壊れないと信じ、緊急ブレーキを無効化しても問題ないと考えました...」

コリエーレ・デラ・セラ紙の記者は当初、「運行管理者はジュエーリクランプの取り外しを忘れていた可能性がある」と報じていた。

Sky TG24によると、逮捕された3人のうち1人が緊急ブレーキを意図的に無効化したことを認めたという。容疑者の1人は、「連日緊急ブレーキが動作し、ケーブルカーの運行に支障が出ていたため、クランプを使って緊急ブレーキを無効化した」と述べたと伝えられている。

Sky TG24の取材に応じた警察当局者は、「ケーブルカーの緊急ブレーキは経年劣化と思われる故障で頻繁に動作し、運行に支障が出ていた」と述べた。「運行を優先したい責任者たちは、緊急ブレーキの無効化を選択しました」

ストレーザのセヴェリーノ市長は26日、市は運行責任者に対して民事訴訟を起こすと発表した。市長によると、カラブリア南部のディアモンテ市も訴訟に名を連ねる可能性があるという。

2021年5月23日/イタリア北部のピエモンテ地域、墜落したストレーザ-モッタローネ線のケーブルカーを調査する当局者(Soccorso Alpino e Speleologico Piemontese/AP通信)

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