イタリア裁判所、抗議デモ扇動容疑の男性を釈放、メローニ首相が司法判断を痛烈批判
モロッコ系イタリア人のフリージャーナリストでもあるシヘル氏は、10月24日にミラノ当局に拘束された。
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イタリア・ミラノの裁判所は28日、週末に行われた暴力的な抗議デモを組織した疑いで拘束されていた研究者ユセフ・シヘル(Youssef Siher、30歳)氏の釈放を命じた。メローニ(Giorgia Meloni)首相はこの判断を「恥ずべきこと」と非難し、政府と司法の対立が深まっている。モロッコ系イタリア人のフリージャーナリストでもあるシヘル氏は、10月24日にミラノ当局に拘束された。警察は同氏が暴力的な抗議デモの後に開設された通信アプリ「テレグラム」のグループ「10月17日運動」を管理し、公共の秩序を乱す行為を呼びかけたと主張していた。
検察側は犯罪扇動の容疑にテロ目的の加重要件が適用されるとし、危険な活動家として捜査を進めていた。
しかし、ミラノ地裁はこの捜査に重大な問題があると判断した。問題視された暴力的な投稿は、シヘル氏本人ではなく、グループの別の参加者が発信したものだったという。地裁は同氏が暴力行為を促したり、支持したりしたことを示す十分な証拠はなく、逃亡の恐れも認められないと説明した。シヘル氏は一貫して容疑を否認している。
メローニ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「釈放は警察や捜査当局の仕事を侮辱するものだ」と批判した。サルビーニ(Matteo Salvini)副首相も判断を「理解できない」と非難し、今後の抗議活動で再び暴力や破壊行為が起きた場合、誰が責任を負うのかと疑問を呈した。
今回の事件は、メローニ政権が今月導入した新たな治安関連犯罪規定の適用をめぐる問題でもある。同規定は、公共の安全を脅かしたり、損害を引き起こしたりする集団の主催者に対し、4~12年の禁錮刑を科す内容だ。
シヘル氏の拘束をめぐっては、表現の自由や適正手続きへの懸念も広がっている。治安対策を強化する政府と、証拠に基づく司法判断を重視する裁判所の緊張が、今後さらに高まる可能性がある。
