SHARE:

ハンガリー、同性カップルの養子制限撤廃へ、マジャル首相がオルバン時代の制度見直し

ハンガリーでは2020年末まで、同性カップルでも一方が単身者として申請すれば養子を迎えることが可能だった。
2025年4月12日/ハンガリー、首都ブダペスト、オルバン政権に抗議するデモ(ロイター通信)

ハンガリーのマジャル(Péter Magyar)首相は12日、オルバン前政権が2020年に導入した養子制度を改正し、同性カップルによる養子取得を事実上制限してきた仕組みを撤廃する方針を明らかにした。4月の総選挙でオルバン(Viktor Orbán)前首相を破ったマジャル政権にとって、LGBTQ+(性的少数者)の権利回復を示す重要な政策転換となる。

ハンガリーでは2020年末まで、同性カップルでも一方が単身者として申請すれば養子を迎えることが可能だった。しかし、オルバン氏率いる右派政党フィデス・ハンガリー市民同盟が同年に制度を変更し、単身者による養子申請には政府の承認を必要とした。実際には同性カップルによる養子取得を極めて困難にする制度として機能していた。

マジャル氏は記者会見で、養子縁組の可否を政治家である閣僚が決定するのではなく、子どもの環境や福祉を判断できる専門家に委ねるべきだと強調した。政府はこうした制度変更を通じ、オルバン政権下で後退した人権や法の支配を回復する姿勢を鮮明にしている。

オルバン氏は「キリスト教的価値観」の擁護を掲げ、同性婚や同性カップルの養子取得に厳しい姿勢を取ってきた。性別変更の制限や、学校で同性愛や性別移行を扱う教材などを規制する政策も進め、欧州連合(EU)との対立を深めた。欧州司法裁判所は4月、LGBTQ+に関する情報へのアクセスを制限するハンガリーの規則について、「欧州法に違反し、当事者を差別・疎外するもの」と判断していた。

ハンガリーでは現在も同性婚は認められていないが、同性カップルの民事上の結合は認められている。今回の養子制度の見直しは、マジャル政権が前政権の社会政策をどこまで転換できるかを占う動きとなる、

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ