ハンガリー議会、オルバン政権時代の大統領を解任する憲法改正案可決
4月の総選挙で圧勝し、3分の2を超える議席を獲得したマジャル首相率いるTISZA(尊敬と自由)は、オルバン時代に築かれた政治・司法制度の見直しを進めており、今回の改正はその象徴的な措置となる。
.jpg)
ハンガリー議会(一院制、定数199)は13日、オルバン前政権下で選出されたシュヨク(Sulyok Tamás)大統領の任期を終了させるための憲法改正案を賛成多数で可決した。4月の総選挙で圧勝し、3分の2を超える議席を獲得したマジャル(Péter Magyar)首相率いるTISZA(尊敬と自由)は、オルバン時代に築かれた政治・司法制度の見直しを進めており、今回の改正はその象徴的な措置となる。
改正案は賛成139票ー反対6票で可決され、シュヨク氏は公布を拒否した場合、弾劾手続きに直面する可能性がある。
マジャル氏はシュヨク氏がオルバン前政権による民主主義の後退や法の支配の弱体化を阻止できず、大統領として国民全体の利益ではなく前政権の意向に沿って行動してきたと批判してきた。政権側は大統領職には政治的中立性と憲法秩序の擁護が求められるにもかかわらず、シュヨク氏はその責務を十分に果たさなかったと主張している。
今回の憲法改正は大統領の交代だけにとどまらない。議員の在職期間を最長12年に制限する規定や、憲法裁判所判事の定年を70歳とする制度が盛り込まれ、オルバン政権時代に任命された複数の要職が退任対象となる。また、前政権下での公的資金の不正利用を調査する新たな機関の設置なども含まれ、新政権は政治・司法制度全体の刷新を進める方針だ。
一方、オルバン(Viktor Orbán)前首相率いる野党フィデス・ハンガリー市民同盟は採決をボイコット。この改正は政治的報復であり、憲法の安定性を損なうものだと反発している。首都ブダペストではオルバン支持者らが抗議集会を開き、大統領の任期を途中で打ち切ることは民主主義の原則に反すると訴えた。政権側は総選挙で得た圧倒的な民意に基づく改革だと反論し、制度改革を継続する姿勢を崩していない。
マジャル政権は今後、新憲法の制定に向けて国民参加型の議論を進める方針で、秋にも本格的な憲法改正作業を開始する計画だ。16年に及んだオルバン政権の政治体制を転換し、「法の支配」と民主主義の回復を掲げる改革は新たな段階に入った。一方で、前政権支持層との対立は根強く、制度改革を巡る政治的緊張はしばらく続く見通しである。
.jpg)
