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ハンガリー首都で反政府集会、オルバン前首相の支持者が大統領解任計画に抗議

今回の抗議は単なる大統領人事をめぐる争いではなく、長年続いたオルバン体制の「負の遺産」を新政権がどこまで変更できるかをめぐる政治的対立の象徴となっている。
2026年7月9日/ハンガリー、首都ブダペスト、シュヨク大統領の解任計画に抗議するデモ(AP通信)

ハンガリーの首都ブダペストで9日、オルバン(Viktor Orbán)前首相率いる右派政党フィデス・ハンガリー市民同盟の支持者らが集会を開き、シュヨク(Sulyok Tamás)大統領を解任させる憲法改正案に抗議した。オルバン派はマジャル(Péter Magyar)首相率いる親EU政権が大統領職を含む国家制度を自派に有利な形へ再編しようとしているとして主張している。

今回の対立の発端は、マジャル政権が進める大規模な制度改革である。マジャル氏は4月の総選挙で親ロシア派のオルバン政権を16年ぶりに退陣へ追い込み、憲法改正が可能な3分の2以上の議席を獲得した。マジャル氏は長期政権下で形成された政治的影響力を解体し、司法や行政機関の独立性を高めると公約している。

その争点となっているのが、2024年に就任したシュヨク氏の扱いである。ハンガリー大統領の権限は主に儀礼的なものだが、法案への署名や憲法上の手続きを通じて一定の影響力を持つ。マジャル政権はシュヨク氏がオルバン政権時代の政治構造を支える存在であり、新たな改革を妨げる可能性があると指摘している。一方、シュヨク氏やフィデス側は、大統領を政治的理由で排除することは民主主義の原則を損なうと主張している。

抗議集会では数千人の参加者が「民主制度を守れ」と訴え、大統領個人の支持というよりも、政権交代後の制度変更への懸念を示した。オルバン氏自身は集会に参加しなかったものの、オンライン上で支持を呼びかけ、今回の動きを新政権による権力集中の試みだと批判した。

一方、マジャル政権はオルバン時代に構築された独裁的な影響力の排除を急いでいる。国営メディア改革や情報機関幹部の交代、首相在任期間の制限などを進め、欧州連合(EU)との関係改善も目指している。EUはこれまでハンガリーの法の支配や民主制度をめぐる懸念から資金拠出を制限してきたが、新政権の改革姿勢を背景に、凍結資金を解除した。

今回の抗議は単なる大統領人事をめぐる争いではなく、長年続いたオルバン体制の「負の遺産」を新政権がどこまで変更できるかをめぐる政治的対立の象徴となっている。ハンガリーではオルバン体制を支持する勢力と、民主制度の再構築を掲げる勢力の間で、国家の方向性をめぐる激しい綱引きが続いている。

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