ハンガリー前政権の横領疑惑、検察がデータセンターを家宅捜索
検察は捜査内容を明らかにしていないが、オルバン政権時代に運営された国家文化基金の補助金を巡る不正支出疑惑が捜査の対象となっている。
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ハンガリーの検察当局は21日、横領などの疑いに関する捜査の一環として、オルバン(Viktor Orbán)前首相が率いる野党フィデス・ハンガリー市民同盟が利用するデータセンターを家宅捜索した。検察は捜査内容を明らかにしていないが、オルバン政権時代に運営された国家文化基金の補助金を巡る不正支出疑惑が捜査の対象となっている。
検察によると、今回の捜査には国税・税関当局の捜査部門も参加した。問題となっているのは、国家文化基金を通じて約170億フォリント(約87億円)の公的資金が不透明な形で配分された疑いで、現職および元政府関係者6人が起訴されている。
被告たちはいずれも容疑を否認しているが、資金の一部がフィデスと関係の深い芸術家や文化団体に流れたほか、一部の受給者は今年4月の総選挙でフィデスの選挙運動にも関与していたとされる。
フィデスは声明を発表し、捜査当局が事前通知なしに党の通信システムやデータベース全体を押収する意図で強制捜査を行ったと主張した。また、「1990年の民主化以降、このような事態は前例がない」と反発し、マジャル(Péter Magyar)首相率いる与党TISZA(尊敬と自由)が司法権力を利用して最大野党を弱体化させようとしていると主張した。
一方、マジャル政権は、今回の捜査は検察による独立した捜査の一環であり、政権による政治的介入ではないとの立場を示している。マジャル氏自身も、捜査の詳細については検察から説明を受けるのを待っていると述べ、手続きの透明性を重視する姿勢を示した。
オルバン氏とフィデスは2010年から16年間にわたり政権を担ったが、今年4月の総選挙でTISZAに大敗した。在任中は、政府による権力集中や汚職、民主主義や法の支配の後退を巡り、欧州連合(EU)や国際社会から繰り返し批判を受けてきた。
政権交代後のマジャル政権は、オルバン政権下で任命された高官の更迭や制度改革を進めるとともに、不正疑惑の徹底究明を掲げている。今回の家宅捜索は、その一連の反汚職政策を象徴する動きとして注目されており、今後の捜査の進展とフィデス側の対応が焦点となる。
