Airbnbの新ルール、宿泊客の清掃負担を制限、ホストと利用者の間で賛否分かれる

ホストと利用者の双方が納得できる運営方法を確立できるかが、民泊市場の今後を左右しそうだ。
米民泊仲介大手エアビーアンドビー(Airbnb)のロゴ(Getty Images)

米民泊仲介大手エアビーアンドビー(Airbnb)が、宿泊客にチェックアウト時の清掃作業を求めることを制限する新ルールを導入する。食器洗いやベッドシーツの取り外し、ごみの敷地外への搬出など、通常は清掃担当者が行う作業を原則として宿泊客に要求できなくするもので、11月20日以降に予約される世界各地の宿泊施設に適用される。清掃料金を支払っているにもかかわらず、過度な作業を求められるという利用者の不満に対応した措置だ。

新ルールでは、ホストが設定できる標準的なハウスルールを7項目に整理し、それ以外にも合理的な範囲で要望を追加できる。ただし、宿泊客には使用済みの食器を流し台に置くことや、使用済みタオルをまとめること、ごみを指定された屋内の分別場所に置くことなどは求められる。水不足地域での節水要請など、特定の事情に応じた例外も認められる。宿泊施設の規則は予約前に確認しやすい形で表示され、予約確認の通知にも記載される。

今回の変更を歓迎する利用者の一人が、米フロリダ州の民泊施設を家族11人で利用したジェシカ・ニューフック(Jessica Newhook)さんだ。同氏は250ドルの清掃料金を支払ったにもかかわらず、タオルの洗濯やベッドの清掃、床の掃き掃除と水拭きまで求められたという。清掃料金と宿泊客の作業負担が重なることで、ホテルを利用した方が安く、予測もしやすいとの不満も出ている。

一方、ホスト側には懸念が広がる。ウェールズで宿泊施設を運営するリサ・クルーズ(Lisa Cruise)さんは宿泊客が退去した後、割れたグラスや床に散乱した空き缶、食べ残しのある鍋などが放置されていた経験を紹介した。清掃には4時間ほどかかり、次の宿泊客を迎えるまでの時間が限られる中、利用者の片付けが不十分になれば追加の人件費が発生すると訴える。

英ノースヨークシャーで宿泊施設を経営するアンソニー・マーシュ(Anthony Marsh)さんは、新ルールへの懸念から、Airbnbへの掲載物件を12施設中5施設から2施設に減らす方針だ。ごみ出しや食器洗いは基本的なマナーの範囲だと主張する。一方、清掃会社を経営するクリッシー・フォスケット(Chrissie Foskett)さんは、宿泊客が施設を丁寧に使うことと、次の利用者のために清掃業務を担うことは別だと指摘する。

Airbnbで物件管理を手掛けるマット・プロスツ(Matt Prosz)さんは、今回の変更によって大半のホストの運営が大きく変わるとは考えていない。利用者とホストの相互評価制度が、双方に適切な行動を促すとみている。

民泊市場では、清掃料金の負担や細かな規則への不満が利用者の離反につながる一方、運営者には人件費や施設維持費の上昇という問題がある。今回の規則変更は、宿泊客の利便性を高める狙いがあるものの、清掃コストの負担を誰が引き受けるのかという問題は残されている。

ホストと利用者の双方が納得できる運営方法を確立できるかが、民泊市場の今後を左右しそうだ。

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