◎カタールは2010年にワールドカップの開催権を獲得して以来、移民労働者の問題やイスラム法に基づく人権弾圧で批判を浴びてきた。
2022年11月19日/カタール、国際サッカー連盟のインファンティーノ会長(Sorin Furcoi/Al Jazeera)

国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティーノ(Gianni Infantino)会長は19日、ドーハで記者会見を開き、カタールの人権問題などに懸念を示している欧米諸国を厳しく非難した。

FIFAワールドカップカタール大会は20日に開幕する。

インファンティーノ氏は「欧米諸国は道徳的な教訓を伝える立場にない」と述べ、欧米政府とメディアを「偽善者」と非難した。

またインファンティーノ氏は「欧州諸国はカタールを非難する前に過去の犯罪に対処しなければならない」と主張した。

「私は欧州人です。欧州はカタールに道徳的な教訓を伝える前に、過去3000年の間に世界中で行ってきたこと(侵略戦争、アフリカや中東の植民地化、奴隷制度、第一次・第二次世界大戦など)を謝罪し続けるべきです」

カタールは2010年にワールドカップの開催権を獲得して以来、移民労働者の問題やイスラム法に基づく人権弾圧で批判を浴びてきた。

インファンティーノ氏はカタールの移民労働者が低賃金で奴隷のように働かされていることについて、「カタールの人権は前進している」と主張した。

「私は6年前にここに来て、最初の会議で移民労働者の問題を取り上げました。カタールだけでなく、アジアやアフリカなどの国々で工場を開き、数千万人を低賃金で働かせている欧米の企業は、この問題について話し合いましたか?」

「結論はこうです。欧米諸国は道徳的な教訓を伝える立場にありません」

インファンティーノ氏は同性愛者を含むすべてのファンを歓迎すると約束した。カタールは同性愛を認めていない。

しかし、インファンティーノ氏は首長らとこの問題について何度も協議し、すべてのファンが歓迎されると確信していると語った。

記者会見の終盤に登場したFIFAメディアチーフも同性愛の問題に触れ、「カタール政府は私を含む同性愛者を歓迎する」と語った。

「私がFIFAに加わって以来、インファンティーノ会長に対する多くの批判、特にLGBTQ+(性的少数者)コミュニティからの批判をたくさん見てきました」

「私はここカタールで、ゲイ男性として世界最大のイベントに臨もうとしています。カタール政府はすべてのファンを歓迎すると確約しており、明日開幕するワールドカップにおいても、誰もが歓迎されると確信しています」

一部の国と批評家はFIFAが開幕2日前にスタジアム周辺におけるアルコール販売を禁じたことに疑問を呈している。

インファンティーノ氏はアル禁について、「FIFAとカタール政府で共同決定した」と主張した。FIFAの主要スポンサーであるバドワイザーはこの決定に不満を示している。

「アルコールはファンゾーンで購入できます。アルコールを購入できる場所は200以上ありますから安心してください」

またインファンティーノ氏はフランス、スペイン、ポルトガル、スコットランドといった欧州の主要国もサッカースタジアム内での飲酒を禁じているため、この決定は特に珍しいことではないと指摘した。

一部の批評家はFIFAのスポンサーに撤退を呼びかけているが、インファンティーノ氏は「今大会は商業的にも大成功を収める」と語った。

「放映権は前回大会より2億ドルほど高くなりました。スポンサー契約も同様です...」

インファンティーノ氏によると、チケットの売り上げも前回大会を2~3億ドルほど上回る見込みだという。

インファンティーノ氏は「カタール大会は史上最高のワールドカップになる」と主張した。

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