◎格安チケットの販売には膨大な費用がかかる。
ドイツの公共交通乗り放題格安券「9ユーロチケット」を持つ女性(ドイツ通信社)

ドイツ政府は13日、温室効果ガスの排出量を削減する取り組みの一環として、「公共交通機関革命を起こす」と提案した。

この提案は今夏に販売し好評を博した公共交通乗り放題格安券「9ユーロチケット」に続くもので、環境にやさしい交通手段への切り替えを支援し、ガソリンの使用を減らし、ロシアのウクライナ侵攻がもたらしたエネルギー危機を和らげると期待されている。

ウィッシング(Volker Wissing)運輸・デジタル相は13日、全国16州の政府関係者と会談後、記者団に対し、月額49ユーロ(約7000円)で公共交通乗り放題チケットを販売する予定であると明らかにした。

ヴィッシング氏によると、この新しいチケットはペーパーレスで、9ユーロチケットと同じく、都市間列車には使えない。

しかし、格安チケットの販売には膨大な費用がかかる。連邦政府は予算、州政府は補助金の問題を解決しなければならないだろう。

連邦政府は各州政府に年間150万ユーロの補助金を出している。各州政府はこの補助金と年度予算を使って地方鉄道に補助金を出す意向を示している。

一方、国際環境NGOグリーンピース・インターナショナルはこの計画を称賛したうえで、月額49ユーロは高すぎると指摘した。

グリーンピースは「月額29ユーロにすれば、利用者は2倍となり、追加の補助金は必要なくなる」と主張している。

財務省は8月、9ユーロチケットのような格安チケットの販売を継続するには140億ユーロ(約2兆円)もの財源が必要になると懸念を表明した。

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