◎パイロット労組は7日と8日に今月2回目となるストを決行する予定だった。
2022年9月2日/ドイツのフランクフルト国際空港、ルフトハンザ社の旅客機(Michael Probst/AP通信)

航空大手ルフトハンザのパイロット労働組合は6日、会社との賃上げ交渉が暫定合意に達したため、予定していたストライキを中止すると発表した。

パイロット労組は7日と8日に今月2回目となるストを決行する予定だった。

2日のストではフランクフルト国際空港とミュンヘン国際空港の旅客便および貨物便約800便が欠航を余儀なくされた。

ドイツ通信社(dpa)によると、労使は6日に緊急協議を行ったという。労組は声明で、「会社側が提示した暫定的な賃金および労働条件に合意した」と発表。その詳細は今後数日以内に練り上げられることになった。

また労組はストの中止を宣言した。

会社側は協議前の声明で、「どの便をキャンセルするか決まっておらず、2日連続でストを決行すれば数万人に影響を与える可能性がある」と警告していた。

会社側が提示した内容は明らかにされていない。

労組は5.5%の賃上げと2023年以降はインフレ率を考慮したさらなる賃上げ。さらに、パイロットの給与・休暇体制の見直しを要求していた。

会社側は労組の条件を受け入れれば、人件費が約40%、9億ユーロ(1255億円)増加すると指摘し、代わりに約900ユーロ(約12万5500円)の賃上げ(1回限り)を提案していた。これはベテランパイロットであれば約5%増、新人は18%増に相当する。

ドイツの労組は他の欧州諸国に比べると強く、労働争議で厳しいストを決行するなど、労働者の賃金とより良い労働環境を確保してきた。

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