◎ドイツの全世帯のおよそ半分が暖房にガスを使用している。
2022年3月30日/ドイツ、ベルリン郊外のガス火力発電所(Michael Sohn/ドイツ通信社)

ドイツ政府は26日、消費者からガスの追加料金を徴収する計画を見直していると報告した。

政府は2週間前、原油と天然ガスの価格高騰で厳しい経営を強いられているエネルギー企業の負担を軽減するためにこの計画を策定したと発表したが、反対意見が相次ぎ、見直しを余儀なくされたようだ。

ドイツ通信社(dpa)によると、追加料金が徴収されると、平均的な家庭で年間数百ユーロ(数万円)の負担増となる。

ドイツの全世帯のおよそ半分が暖房にガスを使用している。この計画は10月から始まる予定だ。

ロシアの天然ガスに依存していたエネルギー企業は現在、代替供給先を大急ぎで探している。これらの企業はロシアと長期契約を結んでいたため、代替先と同等の契約が結べないとその差額は消費者に還元される。

しかし、一部のエネルギー企業は世界規模の原油・ガス価格の高騰を料金に反映し、利益を上げている。

ドイツ政府は追加徴収について、「すべての消費者から公平に集め、大手エネルギー企業の破綻とドイツ経済の崩壊を防ぐ」と説明した。

しかし、野党や消費者団体は計画を非難し、ハーベック(Robert Habeck)副首相さえ今週、「大儲けしている一部の企業がこの計画でさらに大きな利益を得る可能性がある」と認めた。

ハーベック氏は25日に行われた経済団体との会合で、「大儲けしている企業にも追加徴収で得た利益を要求する法的権利はあるが、それは道徳的に正しくない」と述べ、計画を見直すと約束していた。

ハーベック氏の報道官は26日、「エネルギー企業が自主的に追加徴収の受け取りを控えることは賢明だと思う」と語った。

電力会社RWEとエネルギー大手シェルは、購入コストの差額を自社で負担すると表明している。

副首相報道官は、「政府は現在、収益性の高い企業を除外できないかチェックしている」と説明した。

ショルツ(Olaf Scholz)首相の報道官もこの方針を支持すると表明した。

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