◎バイエルンの消防当局は現地時間の午前3時頃に列車で火災が発生したと通報を受け、現場に急行した。
ドイツ郊外を走る列車(Getty Images)

ドイツ当局は20日、南部バイエルン州の駅に止まっていた列車で火災が発生し、さらにその列車がオーストリア国境に向かってひとりでに走り出し、壮大な追跡劇が展開されたと明らかにした。

現場はバイエルン州ノイウルム郊外の集落。

バイエルン赤十字社によると、地元の消防は現地時間の午前3時頃に列車で火災が発生したと通報を受け、現場に急行したという。

しかし、消防が到着する少し前、列車は駅の傾斜した線路をゆっくり下り始め、オーストリアと国境を接する町フライラッシングに向け走りだした。

フライラッシングの消防団がソーシャルメディアに投稿した動画には、火を噴きながら颯爽と駆け抜ける列車の姿が映っていた。

あるフェイスブックユーザーは、「この世のものとは思えない恐ろしいものを見た」と写真付きで投稿している。「幽霊列車が怒りの炎を噴き出している!」

鉄道関係者は幽霊列車を猛追。消防もこれに続いた。

報道によると、鉄道関係者はフライラッシングの駅近くで線路切り替えに成功し、緩衝材を使って幽霊列車を止めたという。

バイエルン赤十字は声明で、「火災は鎮火し、ケガ人はいなかった」と発表した。

ドイツ通信社(dpa)によると、鉄道運営者は20日中に記者会見を開く予定。列車がひとりでに走り出した理由は明らかになっていないが、dpaは専門家の話を引用し、「火災でブレーキが破損した可能性がある」と報じた。

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