◎フィンランドはロシアと1340kmの国境を共有している。
2022年9月23日/ロシア、フィンランドの国境検問所近く(AP通信)

フィンランド政府は29日、ロシア国境の制限を大幅に強化し、30日から観光ビザでの入国を禁止すると発表した。

ハービスト(Pekka Haavisto)外相は記者会見で、「この制限はロシア人のフィンランド観光と、フィンランドを経由してのEU圏内移動を阻止することを目的としている」と説明した。

政府は「ロシア人観光客を際限なく受け入れればフィンランドの外交に支障をきたす」とし、制限を正当化している。

ハービスト氏は決定に先立ち、ウクライナ当局とこの問題について協議したことも明らかにした。

またハービスト氏はウクライナ侵攻に関連する安全保障上の懸念、ウクライナ東部と南部の親ロシア勢力が実施した違法住民投票、ガスパイプライン「ノルドストリーム1・2」の破壊工作もこの決定に影響を与えたと説明した。

フィンランドはロシアと1340kmの国境を共有している。

ロシア人観光客は30日から入国できなくなるが、国内に家族がいたり、就労目的で入国することは可能だ。また政治亡命者の受け入れも継続する。

フィンランド政府は今月1日、ロシア人に発給するビザの数を通常の10分の1に減らした。

ハービスト氏は以前、ヘルシンキ空港を経由するロシア人が増えていることに懸念を表明していた。

EUはロシア便の受け入れを禁じているが、陸路で入国することは可能であり、多くのロシア人が開戦以降も国境を接するフィンランドやエストニアから他国行きの便に搭乗していた。

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