◎世界の人権団体は関係国や国際機関に軍への制裁を強化するよう求めている。
2022年2月21日/ベルギー、ブリュッセルのEU本部、EU外相会議(Virginia Mayo/AP通信)

2月21日、EUは国政選挙で選ばれたミャンマー政府を追放した軍の高官と国営石油・ガス会社に新たな制裁を科すと発表した。

これにより、ミャンマー軍の高官22名がEU内に保有する海外資産はすべて凍結され、石油・ガス会社は取引を制限されることになった。

制裁を科されたミャンマー石油ガス公社(MOGE)はチーム・トタルエネルジーやシェプロンの共同事業者のひとつで、ミャンマー近海のガス田開発プロジェクトを取りまとめている。

トタルとシェプロンは先月、軍による人権侵害が横行していることを受け、ミャンマーの事業から手を引くと発表した。

世界の人権団体は関係国や国際機関に軍への制裁を強化するよう求めている。

MOGEへの制裁は軍の重要な資金源を断つと期待されている。政府が昨年発表したデータによると、ミャンマーは外貨収入の約50%を天然ガスで得ているという。MOGEは2021~2022年の海洋プロジェクトとガスパイプラインプロジェクトで15億ドルの収益を上げると予想していた。

米国と欧州の軍に対する過去の制裁は、石油と天然ガスを除外している。

EUは21日の声明で、「ミャンマーの暴力と紛争が拡大し続けていることを深く憂慮している」と述べた。「昨年2月の軍事クーデター以来、地域の状況は悪化し続けています...」

国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア支局長はEUの決定を称賛し、MOGEに対する制裁は特に重要と指摘した。

またHRWアジア支局長はMOGEの制裁回避を考慮し取り組みを進めることが重要と強調した。

ミャンマー軍は国政選挙で選出されたアウンサンスーチー政権を打倒し、非暴力の抗議デモを武力で制圧した。

都市部のデモはほぼ抑え込まれたものの、地方の少数民族は抵抗を続けており、その多くが武器を取り軍に立ち向かっている。国連はミャンマーの現状を内戦状態と評価している。

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