EU、ガザ復興に向け9億ユーロ拠出へ、インフラ再建などを支援
ガザではイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争により、住宅、医療施設、上下水道、道路など生活基盤が広範囲に破壊されている。
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欧州連合(EU)は7月13日、戦争で大きな被害を受けたパレスチナ・ガザ地区の復興に向け、総額約9億ユーロの支援拠出を取りまとめたと発表した。EUが主導する国際的な資金集めには、65の政府や国際機関などが参加し、破壊されたインフラの再建や住民生活の回復を支援する狙いがある。
支援策はブリュッセルで開かれたパレスチナ支援国会合で発表された。EUのシュイツァ(Dubravka Šuica)地中海担当委員は記者会見で、ガザの停戦状況は依然として不安定であり、民間人を取り巻く環境は改善していないと指摘した。その上で、集められた資金は信頼できる国際的なパートナーを通じて活用される方針を示した。
ガザではイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争により、住宅、医療施設、上下水道、道路など生活基盤が広範囲に破壊されている。国連、世界銀行、EUの試算では、地域の本格的な復興には約700億ドルが必要とされる。また、国連はガザに6000万トンを超える瓦礫が残されているとし、その撤去だけでも長期間を要するとしている。
今回の支援枠組みは「チーム・ガザ・イニシアチブ」と呼ばれ、水道や衛生設備の復旧、農業支援、医療体制の再建などを対象としている。参加国にはEU加盟国のほか、イギリス、日本、ノルウェー、スイスなどが含まれ、世界銀行や欧州投資銀行も協力する。
一方、資金が実際にいつ投入され、復興事業が本格的に始まるかは不透明なままだ。イスラエルとハマスの停戦は維持されているものの、治安や統治の問題が解決しておらず、復興を進める上で大きな障害となっている。特に、ハマスの武装解除をめぐる対立が停戦合意の次の段階への移行を妨げている。
会合には、米国が設置したガザ復興組織「平和委員会(Board of Peace)」の関係者や、パレスチナ自治政府のムスタファ(Mohammad Mustafa)首相らも出席した。ムスタファ氏は、復興への投資はパレスチナの将来だけでなく、地域の安定や持続的な平和にもつながると強調し、将来的なパレスチナ国家の実現を求めた。
EUは今回の支援を通じ、人道危機への対応だけでなく、中東和平における外交的役割を強めたい考えだ。しかし、復興資金の確保だけでは問題解決にはならず、停戦の安定化やガザの統治体制、安全保障上の課題をどう解決するかが今後の焦点となる。
