EU、中国との貿易不均衡是正へ、より厳しい措置を検討
この問題の背景には、中国からの輸入増加とEUからの輸出低迷がある。
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欧州連合(EU)首脳は中国との拡大する貿易不均衡に対応するため、より強硬な措置の検討を進めている。2025年のEUの対中貿易赤字は3600億ユーロ(66.6兆円)に達し、2026年も拡大傾向が続いており、域内産業への影響が懸念されている。
この問題の背景には、中国からの輸入増加とEUからの輸出低迷がある。特に電気自動車やハイテク製品など、中国企業による競争力の高い製品が欧州市場に流入し、欧州の製造業を圧迫していると指摘される。また、中国はレアアースなど重要資源の供給でも大きな存在感を持ち、EUは供給面での依存度の高さにも直面している。
こうした状況を受け、EU指導部は対抗策として貿易防衛措置の強化を検討している。具体的には、不当廉売(ダンピング)や補助金に対する関税の適用拡大、輸入制限の強化、さらには重要分野における供給網の多角化などが議論されている。EUの執行機関である欧州委員会は2026年後半に包括的な見直しを予定しており、より迅速かつ広範な対応が求められている。
一方で、加盟国間の足並みは必ずしも一致していない。フランスなどは中国に対して強硬な姿勢を支持する一方、ドイツやスペインは中国との経済関係の重要性を踏まえ、慎重な対応を求めている。このため、EUとして統一的な戦略を打ち出せるかが課題となっている。
さらに、中国側もEUの動きを保護主義的と批判し、対抗措置を示唆している。実際にEUが中国製EVに関税を課したことに対し、中国は報復関税や輸出規制を行うなど、双方の摩擦が強まっている。
EUはオーストラリアやインド、インドネシアなどとの関係強化を通じて貿易の多角化も進めているが、短期的に中国依存を大幅に減らすのは難しいとみられる。域内では「第二の中国ショック」とも呼ばれる輸入急増への警戒感が広がり、今後の政策判断が欧州経済の方向性を左右する可能性がある。
EU指導部にとっては、産業保護と自由貿易のバランスをいかに取るかが大きな課題である。対中政策を巡る議論は経済のみならず地政学的な観点からも重要性を増しており、統一した対応を打ち出せるかが注目される。
