◎オランダの都市や町は多くのウクライナ人に滞在場所を提供しているが、中東・アフリカ・アジアの貧しい国々から逃れてきた人々にはあまり関心を持っていない。
2022年8月25日/オランダ北東部、ドイツ国境近くの亡命希望者受付センター(Peter Dejong/AP通信)

オランダ政府は27日、北東部のドイツ国境近くにある亡命希望者受付センターの屋外仮設キャンプで寝泊まりしていた移民約400人を避難させた。

同センターを管理する政府機関は声明で、「人々を代替宿泊施設に移動させた」と説明した。

政府は26日、同センター内で生後3カ月の乳児が死亡し、政府の調査チームが「衛生状態に問題がありすぎる」と指摘した後、移動を決めた。

乳児の死亡は24日に報告された。乳児の性別、国籍、死因は明らかにされておらず、警察が捜査を進めている。

オランダ公共放送BNNによると、政府は同センターの屋外で寝泊まりしていた約700人のうち150人を市中心部のスポーツセンターに26日に移したという。

現場を視察した人権団体はSNSに、「ギリシャやシチリア(イタリア)のような事態は避けなければならない」と投稿している。この両国の移民収容所は過密状態をたびたび指摘されている。

国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」のオランダ支部も25日にチームを派遣した。

ルッテ(Mark Rutte)首相は26日、同センターの状況を見て、悲しく恥ずかしい気持ちになったと述べた。同氏は26日夜、亡命希望者を劣悪な環境から保護する対策を発表した。

政府は自治体と協力して、難民認定を受けた人々がより迅速に受付センターから退去できるよう、より多くの住宅を建設し、新たに到着する人々のためのスペースを確保するとしている。

オランダ軍は現在、同センターで亡命・庇護申請を待つ間に利用できる新しいキャンプを設置している。

オランダの都市や町は多くのウクライナ人に滞在場所を提供しているが、中東・アフリカ・アジアの貧しい国々から逃れてきた人々にはあまり関心を持っていない。

同センターで屋外生活を余儀なくされた人々の大半はシリア人だった。

2022年8月25日/オランダ北東部、ドイツ国境近くの亡命希望者受付センター(Peter Dejong/AP通信)
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